M&Aを行い巨額の資金が入金になることが一般的だ。この資金で悠々自適なセカンドライフを過ごしたいと考えている経営者も多いだろう。しかし、巨額の資産が入ってくると気を付けなければいけないこともある。

それは相続税。相続税対策を何も行わずに万が一のことが起こると巨額の相続税を支払う必要がある。

そこで相続税対策が必要な人の多くは、不動産を使った相続税対策を行う傾向にある。

不動産の評価額が現預金に比べると有利な制度であることやアパートローンを利用することによって資産を圧縮することができることなど相続税対策に不動産を利用することには、様々なメリットがあるからだ。 

しかし、一方でデメリットがあることを皆さんご存知だろうか? 今回は不動産を使った相続税対策のデメリットについて説明をする。

不動産は分割しにくく、もめる原因に

相続税対策に不動産を利用するデメリットはさまざまであるが主なデメリットは、3つに集約できるだろう。

・分割しづらいのでもめる原因になる
・メンテナンスに時間や費用がかかる
・不動産価格が下落する可能性がある 

分割しづらいのでもめる原因になる
不動産は現預金に比べて当然だが分割しづらい。分割しづらい分、法定相続人が複数人いるともめる可能性が高くなる。

特に法定相続人が複数の子供の場合、一つの不動産に全員で住むわけにもいかないので誰が不動産を引き継ぐかで大きくもめることになるだろう。

不動産を受け取らない兄弟には、預貯金で分配することが一般的だ。しかし分配するだけの十分な預貯金がない場合は、不動産を売却せざる得ない状況になるので注意が必要だろう。

メンテナンスに時間や費用がかかる
不動産を引き継いだ場合、不動産の現況を維持するためにメンテナンスする必要がある。このメンテナンスだが自分で行うとなると時間がかかり、 業者に頼む場合は費用負担が重くなることが一般的だ。

また大規模修繕も定期的に必要になる。 不動産を引き継ぐいうということはメンテナンスが必要になるということはしっかり理解しておかないとあとあと大変なことになるだろう。

不動産価格が下落する可能性がある
不動産は、路線価で相続税が評価されるので現預金よりも相続税評価額は小さくなるメリットがある。(路線価は時価の7割程度)

時価よりも相続税評価額が低くなるメリットは非常に大きい。しかし不動産の価格が未来永劫維持もしくは上昇するとは限らないだろう。もちろん東京都心部などの一等地であれば不動産の価格は上昇を続けるかもしれない。

人口が確実に減っており労働力人口も減少している日本の不動産の価格は今後かなり厳しいものがあるかもしれない。

安定的な家賃収入など多くのメリットがある不動産であるが、価格が下落するリスクがあることもしっかり理解することが重要となる。

何事にも一長一短がつきもの

今回は、不動産を使った相続税対策のデメリットについて説明をした。現預金で相続をするよりもたくさんのメリットがある不動産であるがメリットだけではなく一定のデメリットもあることがわかっていただけたかと思う。

文:M&A Online編集部