経済産業省は2021年度予算概算要求の重点案を公表した。withコロナ、ポストコロナ時代に求められる「新たな日常」を先取りする成長戦略などを掲げ、中小企業の新陳代謝を促す事業承継やM&Aのさらなる円滑化支援を盛り込んだ。

概算要求の重点案は9月9日の産業構造審議会で示されたもので、成長戦略の柱となる領域の1つに「中小企業・地域」を設定した。日本の構造的問題である低付加価値生産性を解決するための手段として、事業承継やM&Aの促進に力を入れる。

概算要求をにらんでは、内閣官房の「中堅企業等施策に関する関係府省会議」でもM&Aを含む事業承継を促進する方向性を打ち出している。経産省は中小企業のM&Aを促すための予算・税制措置の検討や、第三者承継時の専門家活用に要する経費などを事業承継補助金の対象に含める方針で、金融庁も地域金融機関と連携して難易度の高い事業者案件を中心としたサポートなどに乗り出すことにしている。

帝国データバンクが8月下旬に実施した事業承継に関する意識調査では、有効回答1万2000社のうち67%が事業承継を「経営上の問題」と認識。新型コロナ関連の経営破たんにも歯止めがかからない中、8月19日には東京商工会議所が国と東京都に対してM&Aの促進に向けた施策の強化を要望するなど、迅速な支援の拡充を求める声が強まっている。

文:M&A Online編集部

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