全国の事業引継ぎ支援センター9カ所が「A評価」

独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)は11月9日、経済産業省に「令和元年度(2019年度)に認定支援期間等が実施した事業引継ぎ支援事業に関する事業評価報告書」を提出した。過去最多の1176件となった事業引継ぎ成約件数などを受け、全国48カ所の事業引継ぎ支援センターのうち9カ所が最高の「A評価」となった。

産業競争力強化法の規定により、中小機構は各都道府県にある認定支援期間が実施した中小企業再生支援業務を評価し、経済産業大臣に結果を報告することになっている。

2019年度の事業引継ぎ成約件数は前年度比27.4%の大幅増で、2011年度の事業引継ぎ支援センター発足以来、初めて1000件を超えた。年間の成約件数は目標1500件に及ばなかったものの、累計では3577件となった。

相談社数は1万1514社、相談回数は3万3732回で、いずれも過去最多。1社の平均相談回数は2011年度の1.41回から2.93回に増え、1社の相談により多くの時間を割けるようになった状況が見て取れる。譲渡相談も過去最多の4800件と目標4500件を上回った。

各地の事業引継ぎ支援センターのうち、成約件数目標を達成したのは15カ所(前年度10カ所)で、譲渡相談目標に届いたのは32カ所(前年度34カ所)。どちらもクリアしたのは12カ所(前年度9カ所)だった。相談、成約とも目標件数は前年度から引き上げられているため、事業引継ぎ支援業務は拡大している。

8府県のセンターが「C評価」に

評価の方法は相談、成約件数の数値に加え、目標達成への取り組みや適正な業務運営を考慮した相対評価で、A~Cの3段階に分けた。「A評価」の9カ所は秋田県、埼玉県、千葉県、愛知県、大阪府、愛媛県、香川県、佐賀県、長崎県の事業引継ぎ支援センター。

一方で、岩手県、福島県、山梨県、京都府、和歌山県、岡山県、徳島県、鹿児島県の8カ所が「C評価」にとどまり、さらなる案件掘り起こしや地元金融機関などとの連携強化が望まれている。

●事業引継ぎ支援センターの評価

A評価秋田県、埼玉県、千葉県、愛知県、大阪府、愛媛県、香川県、佐賀県、長崎県
B評価北海道、青森県、宮城県、山形県、茨城県、栃木県、群馬県、東京都、東京都(多摩地区)、神奈川県、新潟県、静岡県、岐阜県、三重県、富山県、石川県、福井県、滋賀県、兵庫県、奈良県、島根県、広島県、山口県、高知県、福岡県、熊本県、大分県、宮崎県、沖縄県
C評価岩手県、福島県、山梨県、京都府、和歌山県、岡山県、徳島県、鹿児島県

全国の事業引継ぎ支援センターなどでは、事業引継ぎに関する全国データベース(DB)のノンネームDB(NNDB)を大幅拡充。地域の民間金融機関などが引継ぎ希望案件を書き込めるようにし、マッチングの裾野拡大を図っている。また、2020年度にはすべてのセンターで後継者人材バンク事業を開始し、創業を希望する個人と後継者のいない事業主のマッチングに力を入れている。

中小機構は「2019年度の事業引継ぎの成約で譲渡企業の従業員の雇用が確保されたと考えると、1万人強の雇用が確保・維持されたことになる。引継ぎDBとNNDBのさらなる効果的活用や後継者人材バンク事業の運用充実などを図ることで、事業引継ぎ支援センターのマッチング機能向上が期待される」としている。

文:M&A Online編集部

関連リンク令和元年度事業引継ぎ事業評価報告書(独立行政法人中小企業基盤整備機構)