前回の記事では、当時大証二部に上場していたシャルレ(旧テン・アローズ)の経営陣がMBO(経営陣による買収)を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施した際に、創業者である元代表などによって不正な株価操作などが行われ、MBOが頓挫した事例を紹介しました。
当時の株主は元代表や取締役の責任を追求するため、株主代表訴訟を提起。裁判所は株主らの請求を一部認め、元代表らへ賠償金の支払い命令を下しました...
MBO(マネジメントバイアウト)を実施する際、役員は株主に対して不当な不利益を与えないよう「善管注意義務」を負うと考えられています。シャルレの元株主が提起した株主代表訴訟では、元代表取締役を含む役員らの賠償責任が認められました。
ネット通販が一般的になったことで、サイトの売買も活発に行われています。今回は、サイト売買がM&A手法のひとつである「事業譲渡」と認定され、売主の競業避止義務違反が認められた裁判例をご紹介します。
今回は「レックス・ホールディングス損害賠償請求事件」の訴訟の概要と判決の要旨をわかりやすく解説します。本事案は、当時の取締役らの忠実義務違反や善管注意義務違反が問題となりました。