株式対価M&Aをめぐる法制度の動向~産業競争力強化法の改正と今後の展望~
株式対価M&Aとは、買収会社が自社の株式を買収対価として実施するM&Aのことをいいます。日本では産業性化の一策として、株式対価M&Aが注目されています。
株券発行会社において株券の提示なくして相続人による名義書換請求が認められた事例
(2018年7月11日付東京高裁判決)
2018年7月11日、東京高裁は、Y1社の元株主から相続によりY1社の株式を取得したX1~X4が、Y1社並びにY1社の他の株主であるY2及びY3に対し、X1~X4が保有する株式について名義書換手続きをすることを求めた事案について、かかる名義書換請求を認める旨を判示しました。
当該事案における争点は、①Y1社の元株主の遺産分割協議及び遺言書の効力、並びに、②株券が発行されていない株券発行会社における株券の提示のない名義書換請求の可否でした。東京高裁は、争点①について、当該遺産分割協議及び遺言書が有効であると判断するとともに、争点②について、設立以来株券が発行されておらず、既に株券発行に必要な合理的期間を優に経過していることを理由として、株券を提示しなくても、実質的権利を証明することにより名義書換を請求することができると判断しました。
実務上、株券発行会社において株券が発行されていない場合も少なくなく、当該会社の株主から相続により株式を一般承継する事例も相当程度存在していると考えられるところ、そのような事案において株式の譲受人が会社に対する名義書換請求を行うに当たって、本東京高裁判決は参考になるものと思われます。
パートナー 大石 篤史
アソシエイト 坂尻 健輔
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