市場価値 (相場) に着目する企業評価方法
類似会社比準法

このコラムでは、純資産価額法DCF法について解説しました。今度は別の角度から見てみましょう。

上場企業は日々株式市場で株価がつくので、時価総額が分かります。時価総額はその日における企業価値の「相場」です。マーケットアプローチでは、株式市場 (= マーケット) でついた株価をもとに類似する他の会社の企業価値を算定する方法です。この方法を類似会社比準法(または株価倍率法)と呼んでいます。

たとえば、家電製品を作っている会社があるとして、その会社の相場を出すとしましょう。類似会社比準法による評価法の第一歩はまず、家電製品を作っている上場会社を選択することから始まります。たとえば、ソニー、松下電器などの日本を代表する大企業から、一般にはあまり知られていない中小規模の上場会社もあります。会社四季報や新聞の株式市場欄を見ながら選択していくのも一つの楽しみかもしれません。いずれにしても、自社に事業内容や規模が似ている会社を選択することがポイントです。

次にこれらの類似会社の経営指標と、自社の経営指標とを比較して、「もし自社が上場しているとしたらいくらぐらいの株価がつくのか」を算定します。経営指標として良く用いられるのは、利益や純資産、EBITDA (Earnings Before Interest , Tax , Depreciation and Amortization; 償却前営業利益とほぼ同義です) などです。

つまり類似会社比準法は、「利益やキャッシュフローを物差しとして、他のよく似た上場会社の株価を基にして対象会社の株式を算定する方法」と説明することができます。