新型コロナウイルス感染症拡大の影響で海外旅行はもちろん国内旅行にも自粛ムードが広がる中、旅行会社があれこれ知恵を絞った取り組みを展開している。

国内旅行なのに海外を感じることのできるツアーや、3密対策を徹底した安心プラン、安心して海外旅行を楽しめるまでの準備期間と位置づけ、多様な情報を提供する旅支度サービスなど、内容はさまざま。

自粛疲れ感のある消費者の心をつかむのは、どういった企画なのか。新型コロナウイルス向けワクチンが広く行き渡り、大手を振って旅行に出かけるようになるまでは、各社のアイデア勝負が続きそうだ。

国内旅行で海外に思いを馳せる

JTBグループのJTBグランドツアー&サービス(東京都渋谷区)は2020年8月20日に、旅行商品「日本の魅力を知り、海外を想う旅」を投入した。 

オンラインやバーチャルではなく、リアルに海外に想いを馳せることのできる国内旅行というのがコンセプトで、日本のマチュピチュと呼ばれている兵庫県の竹田城跡や、日本のウユニ塩湖といわれる香川県の父母ケ浜などを訪れる。 

天空の城・竹田城跡(同社ニュースリリースより)

マチュピチュ旅行の経験者が「日本のマチュピチュ」の魅力を知るとともに懐かしいマチュピチュ旅行を思い出したり、ウユニ塩湖旅行の希望者が父母ケ浜を訪れることでウユニ塩湖への想いを募らせることなどを想定している。現地を訪れてみたい人にはガイドブックを、現地を訪れたことのある人にはその国の土産やゆかりの品をプレゼントするという。 

同社ではマチュピチュやウユニ塩湖のほかにも、南アフリカのケープポイントのように見える鹿児島県の佐多岬や、エジプトのピラミッドのように見える鹿児島県の開聞岳なども旅行先候補として上げている。 

エイチ・アイ・エス<9603>は8月19日に、スカイマーク、星野リゾートトマムと連携した特別ツアー「3密対策!あんしん旅 北海道」を投入した。 

スカイマークはウイルスや細菌などの粒子を99.9%以上捕集可能な高性能空気フィルターを使用し、常に機外からの新鮮な空気を取り入れることで機内の空気の清浄性を保っている。今回はこれに加えて横並び3人掛けのシートを2人が利用することでフライト時の密接を避けるようにした。 

星野リゾートトマムでは、チェックイン時の検温やレストランやプールのリアルタイムな混雑状況をスマートフォンで確認ができるサービスを提供する。エイチ・アイ・エスでは今後、北海道プランに次ぐ3社連携による新たな旅行商品を売り出していく予定だ。 

ANAセールス(東京都中央区)は8月11日から、海外旅行を待ち望んでいる顧客にベテラン添乗員や海外事情を熟知したツアー企画者による独自情報をはじめ、グルメや観光スポットなどの情報を提供するサービスを始めた。 

安全な海外旅行が実施できる日まで情報を発信し続け、顧客を囲い込むのが狙いで、ハワイ州観光局やシンガポール政府観光局など各国の観光局とも連携し、今できる海外旅行の楽しみ方を提案するという。

文:M&A Online編集部