「大丸松坂屋カード」を一新、今後の成長戦略は? JFRカード・二之部守社長に聞く

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JFRカード社長の二之部守さん(東京・日本橋の東京オフィスで)

保険・ローン・信託…リレーションシップを深化

-クレジットを起点に、具体的にはどのような金融サービスを展開するのですか。

新カードの導入を機に、お客様とのリレーションシップを深化させたい。クレジットはあくまで支払い手段であり、ツールの一つ。その先で、マネーや健康、家族の安心、老後の暮らしを支えるさまざまな生活提案を行いたい。具体的な商品でいえば、保険、ローン、信託などだ。保険は以前から販売しているが、今年2月からオリックス・クレジットと提携してカードローンの取り扱いを始めた。

例えば、親が認知症や介護状態になった場合。所有不動産の売却ができなくなる、銀行口座が凍結されるなど、資産が有効活用できなくなることがある。こうした問題を未然に防ぐための老後の資産管理対策のメニューの一つとして、8月から「家族信託」の提供も始めた。

持ち家をどう処分するか、といった住宅の悩み事も多い。相続、事業承継、節税などの問題もしかり。高齢社会の到来で、健康やマネーに関する心配は尽きない。情報提供とともに、相談・コンサルティングの体制をしっかりつくっていきたい。昨年11月にはその新拠点として「QIRAフィナンシャルラウンジ」を心斎橋パルコ(大阪市)にオープンした。

-メインターゲットと位置づける30~40代の女性に向けた施策については。

医療、美容、健康のための特典・サービスを充実させたい。ウェルビーイングと言われるように、単にきれいになるというだけでなく、生涯にわたって心身ともに健康的に楽しく暮らしたいというニーズにこたえていきたい。「マネー美人養成講座」と銘打った家計セミナーの開講もその一環。セミナーのライブ配信にも取り組んでいる。

東京オフィスを立ち上げ、50人規模に

-それにしても、東京オフィス(東京・日本橋)はスタートアップ企業を思わせる斬新さです。

実は私が3年半前、当社の経営を預かった時、東京に社員はゼロだった。会社を強くするには人材採用がカギとなるが、業界での知名度もなかった。そうした中でのスタートだったが、オフィスのあり方としては会社の戦略であったり、企業カルチャ―といったものを体現しているべきだとの考えを強く持っていた。

現在、総勢約270人の社員のうち、東京には50人ほど。百貨店からの出向者のほか、新規に採用した社員が多く含まれており、オフィスに興味を持ってもらったことが幸いしているのであれば喜ばしい。

-M&Aの取り組みはどうですか。

J.フロントグループ全体でビジネスモデルが変化しつつあり、戦略実行のうえでM&Aは有力な手立ての一つ。決済・金融事業の成長加速に向けて、そうしたオプション(選択肢)は常にテーブル上にあるといっていい。

◎二之部 守さん(にのべ・まもる)
1986年アメリカン・エクスプレス・インターナショナル日本支社に入社。2000年住銀アメックス・サービス副社長。2003年アメックス・カード・サービス社長。その後、リシュモン・ジャパン、ビザ・ワールドワイド・ジャパンなどの要職を経て、2018年3月にJFRカード社長兼J.フロントリテイリング執行役に就任。
1986年東京大学文学部卒。1991年ニューヨーク大学経営大学院修士課程修了。三重県出身。

聞き手:M&A Online編集部  黒岡 博明

M&A Online編集部

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