米リフィニティブは世界有数の金融情報プロバイダー(提供元)を標ぼうする。前身はトムソン・ロイターの金融・リスク部門。2018年10月に独立し、米大手投資ファンドのブラックストーン・グループの傘下に入った。新生リフィニティブとして間もなく2年となる。

新型コロナウイルス感染症の収束がいぜん見通せない中で、ニュースやデータ・分析など金融情報サービスに対する顧客ニーズに変化はあるのか。またリフィニティブ自身、英ロンドン証券取引所グループ(LSEG)との経営統合という新局面を控える。日本法人のリフィニティブ・ジャパンを率いる富田秀夫社長に聞いた。

コロナ下、金融インフラとして責任を果たす

-新生リフィニティブとして、日本での認知度はどうですか。

日本では2019年3月に、名称をリフィニティブ・ジャパン(旧トムソン・ロイター・ジャパン)として第一歩を踏み出した。リフィニティブ(Refinitiv)は、最も信頼されるという意味の単語(definitive)とロイター(Reuters)を掛け合わせた造語。最初は問い返されることが少なくなかったが、今ではかなり浸透してきた。セミナー、イベントや広報宣伝など様々な機会をとらえ、社名に込めた思いを伝えてきたつもりだ。

ほとんどの金融機関、大手の事業法人と何らかの取引があり、ここまで業績も順調にきている。競合他社がデスクトップ中心であるのに対し、当社はオープンプラットフォーム戦略により、データを様々な形で利用してもらっている。とくにフィンテック関連で広がりが出ている。

新しい分野でいえば、KYC(顧客の本人確認)やコンプライアンス絡み。資金洗浄など金融犯罪対策として「ワールドチェック」というデータベースを展開するが、明らかに利用が伸びている。

-新型コロナが世界経済を直撃しています。

金融は新型コロナの状況にあっても活発に動いている。在宅勤務になろうが、情報はどうしても必要とされる。その点、恵まれた環境にある。世界的にみてもロックダウン(都市封鎖)などで一時は大変なことになっていたが、我々のシステム自体は円滑に機能してきた。

例えば、その一つとして外国為替にかかる電子取引プラットフォームを提供しているが、こちらは過去最高の取引件数に上った。コロナ下、経済を支える金融機能の一翼を担うインフラとしての責任を果たせているのではないかと思っている。

富田さん

ESGデータへの関心が高まる

-コロナ危機で、金融情報サービスに対する顧客ニーズに何か変化は出ていますか。

自宅からのアクセスが増えたといったことはあるが、求められる情報内容に特段変化があったわけではない。こうした中、欧州を中心にESG(環境・社会・企業統治)絡みのデータへの関心がますます高まっている。日本でもしかりだ。

-そのESGデータに関して、どういった取り組みを。

6月に、「ESGスコア」というサービスを始めた。ESGへの取り組みを評価・比較するためのデータ指標で、排出量、環境製品の革新性、多様性、人権、株主など10の主要要素から算出する。

企業を評価する際、ESG要素が従来の財務諸表並みに重要視されるようになっている。しかし、ESGデータには標準的な報告基準が定まっていないため、企業によって表示が異なるのが実情だった。そこですべての企業、すべての地域にまたがって比較できるように、同一条件下での定量分析を実現した。まさにリフィニティブならでは新サービスといえるだろう。