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2020年のTOBと来年の展望ー窪田真之楽天証券経済研究所長

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NTTによるドコモTOBは世間を驚かせた(東京都渋谷区のNTTドコモ代々木ビル)

2021年は不動産業界のM&Aに注目

-さて、来年のTOBはどうなるでしょうか?

先ほど指摘した重要子会社のTOBは活発になるだろう。業種別では不動産業界でのTOBが増えるのではないか。理由は不動産市況の悪化が予想されること。それに伴う株価の下落によりPBR(株価純資産倍率)が1倍を下回る不動産会社が増えれば、敵対的TOBを仕掛けられるケースも出てきそうだ。ユニゾの実質PBRはエイチ・アイ・エスに敵対的TOBを仕掛けられた2019年7月時点で0.30倍と、かなり割安だった。こうしたユニゾ型TOBが出てくる可能性は高まるだろう。

-エイチ・アイ・エスのように異業種から不動産会社へのTOBを仕掛けるメリットは何でしょう?

地価が下がっても、利益変動が激しい一般業種から見れば不動産業は安定した収益を得られる。2004年に商船三井がダイビルを連結子会社にしたのも、景気によって業績が大きく変わる海運業のヘッジ(回避)のためだった。自社あるいは傘下にある不動産会社のPBRが1倍を切った場合は、敵対的TOBに警戒する必要があるだろう。 

窪田 真之(くぼた・まさゆき)氏
楽天証券経済研究所 所長兼チーフ・ストラテジスト
1984年慶應義塾大学経済学部卒業。住友銀行、住銀バンカース投資顧問、大和住銀投信投資顧問を経て2014年より現職。日本株ファンドマネージャー歴25年、1000億円以上の大規模運用で好実績をあげたスペシャリスト。

文・聞き手:M&A Online編集部 糸永正行編集委員

M&A Online編集部

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