デジタルがアナログを駆逐するわけではない

-新たなビジネスチャットツールも登場しています。市場での競合を意識することはありますか?

山本 確かに新たなチャットツールは登場しているが、そう大きくぶつかっているところはない。ビジネスチャットが普及してきたとはいえ、導入企業は全体の10%程度。まだ市場が拡大しているところなので、競合状態にはない。だから同じチャットツールを提供している会社はライバルというよりも、パートナーだと考えている。私たちの競合相手は電話やメールだ。

-いずれチャットは電話やメールをビジネス現場から駆逐しますか? 

山本 そうはならない。電話やメールは生き残ると思う。ただ、使い分けは進むはずだ。電話は緊急連絡向け、メールは初めて連絡をとる一見(いちげん)さん向け、知り合いや何度も連絡をとる人とのやりとりは電話やメールからチャットへ移行するだろう。

よく「デジタルがアナログを駆逐する」といわれるが、アナログは効率が悪い半面、情報量は多い。直接会って話す方が、デジタルのコミュニケーションよりもはるかに豊富な情報を得られる。これからもアナログ情報が重要なことに変わりない。

ただ、そうそういろいろな人と会ったり電話をしたりする時間はなくなるだろう。だから普段はチャットをはじめとするデジタルによる効率的な情報交換をしておき、ここぞという重要な時のためにアナログでのコミュニケーション時間を残しておくという考え方が正しい。

-チャットのようなデジタルコミュニケーションは、職場を効率的に動かす効果がある、と。

山本 業務時間の実に80%がコミュニケーションに費やされている。こうした業務上のコミュニケーションをデジタル化することで、働き方改革や労働生産性向上に役立つ。例えばChatworkは介護現場でよく使われているのだが、これは介護サービスが1社で完結しないため。

介護士やケアマネージャー、薬剤師、医師、看護師など所属組織が違う人たちが1人の要介護者にかかわっている。そうした人たちが情報を共有したり、連絡を取り合ったりするのにオープン環境のChatworkは最適なのだ。

「Chatworkは複数の企業が情報を共有したり、連絡を取り合ったりするのに最適」と、山本さん