え!? あの人の記念館も?

グループ名の「ITM」は、AKBやHKTの誕生するずっと前のこと。しかし「ITM」の表記を見たとき、「AKBが秋葉原だから、ITMは伊丹かな?」と思う人がいるかもしれない。一六本舗は否定するだろうが、実は「そうかも?」と感じさせるフシがある。伊丹で想像するのは空港のある兵庫県伊丹市か、作家や映画監督、タレントなどマルチに活躍した伊丹十三を連想させる。

伊丹十三の足跡をたどる伊丹十三記念館(いよ観ネット・フォトギャラリーより)

実は伊丹十三はCM作家としても知られるが、手がけたCMの一つに一六タルトのシリーズがある。京都で生まれた伊丹十三は、中学から高校にかけて転学を繰り返し、松山東高・南高に通っている。そのように松山に縁があることを一六本舗側が身近に感じ、CM作家として起用したのだろう。

松山市内にある伊丹十三記念館。その存在は愛媛・松山と伊丹十三との縁を示しているが、実は記念館の敷地はもともと一六本舗の敷地だったという。

当時、一六本舗の社長だった玉置泰氏(現会長)は、伊丹十三をCM作家、またCM出演にも起用した後、伊丹の映画作品の多くの製作に携わった。玉置泰氏は映画プロデューサーとして活動し親交を深め、一六本舗はスポンサーとして守り立てたわけだ。現在、玉置泰氏は伊丹十三記念館を運営するITM伊丹記念財団の理事長であるとともに、伊丹プロダクションの社長も務めている。

一六本舗の経営を概観すると、ITMは、実はTMIなのかもしれないと思えてくる。それはTamaki's Mergers & Integrationの略である。そう考えると、一六タルトの柚子風味の餡のかたちが、何やら好機を逃さんとするグループ経営の渦のようにも思えてくるから不思議だ。

文:M&A Online編集部