東京都競馬という株式会社をご存じだろうか。競馬やオートレース、遊園地のほか物流倉庫施設などを保有、管理、賃貸している東証1部上場企業<9672>である。

その筆頭株主は東京都。自治体が大株主というと、銀行などの金融、電力や輸送などのインフラ系の企業が多いが、公営競技施設を経営する株式会社の大株主が自治体であるのは、神奈川県を中心に競輪やオートレース場を展開する花月園観光のほかに、例は少ない。

公営競技施設と周辺レジャー産業に進出

東京都競馬はもともと、東京都の地方競馬の開催する施設を運営する目的で設立された。その第1号が大井競馬場だった。次いで、大井オートレースを開場し(1973年には閉鎖)、1970年代には東京サマーランドを子会社として設立した。公営競技にはとどまらない多方面のレジャー施設の運営に乗り出したわけだ。

さらに、東京を離れ、群馬県の伊勢崎オートレースの運営を目的とする関東興産を設立し、伊勢崎オートレース場を開場する。そして、地方競馬である新潟競馬の廃止を受けて、関東興産を吸収合併し、運営にあたった。

そして2009年には、大井競馬場前ショッピングモール「ウィラ大井」をオープンする。大井競馬場周辺を都市型の一大レジャー基地とする狙いがあったのだろう。

2010年頃までの東京都競馬の子会社の設立とM&Aを振り返ると、次のようになる。

東京プロパティサービス完全子会社、大井興業として設立され、2012年に商号変更。現在は大井競馬場場内サービス事業を展開する
東京倉庫東京プロパティサービスの完全子会社であり、物流施設の賃貸業を営む
東京サマーランド東京都競馬から遊園地事業を受託運営している完全子会社である