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【意外な子会社】キユーピーがアヲハタをTOB(2014年)

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※画像はイメージです

え?なんであの会社がこの会社を買うの? この会社ってあのグループだったの? と思わず驚かずにはいられない、意外なM&Aがある。そんなディールを集めてみた。買収の狙い、そしてそこから見えてくるものとは…?

キユーピー〈2809〉、アヲハタをTOB

(買収金額 約24億円 出資比率 約39%、買収時期 2014年1月)

キューピーがアヲハタのTOB株式公開買付)を行ったのは2013年12月25日〜2014年1月29日。当時のニュースを振り返ってみよう。

2013年12月24日「日経QUICKニュース」によると、「キユーピーは24日、アヲハタの連結子会社化に向けたTOBを実施すると発表。アヲハタ株1株あたりの買付価格は、同日終値(1452円)を4.0%上回る1510円で、買付総額は24億円。TOB成立の条件となる買付下限数は135万5600株で、上限は159万7800株。買付期間は25日から2014年1月29日まで。キユーピーの保有比率は従来16.16%(間接保有分を含む)。TOB成立後は39.0%まで上昇する見込み」とある。ちなみに、直近のアヲハタ株式のキューピーの保有比率は46.65%となっている(2017年1月26日、アヲハタ発表資料より)。

当時は、「マヨネーズがジャムを手中に収めた」といわれたが、実はキューピーもアヲハタも“同根”の会社である。アヲハタの従来の筆頭株主は中島薫商店。同社は1918年、中島商店として東京・日本橋で蟹缶詰、鮭缶詰の販売を始めた。その翌年、食品工業株式会社の創業に出資する。その食品工業という会社こそ現キューピーである。また、中島商店は1932年、広島県忠海町(現・竹原市)に旗道園というみかん缶とオレンジママレードの会社を設立する。それが今日のアヲハタである。

TOB実施の背景として、キューピー側は事業環境が厳しくなるなか、同根のアヲハタとの連携を高め、事業体制を強化し、競争力を高めたいとする思惑があった。一方のアヲハタは、1998年には缶詰業界では初めて株式上場を果たし、翌1999年にはジャム業界では初めて環境管理の国際規格ISO14001の認証を取得、2002年には子会社を含むアヲハタグループ全事業所での認証取得が完了した。同社のウェブページに「今後は、高品質原料調達技術、缶詰技術、フルーツ加工技術、ゲル化技術の4つの中核技術に集中特化する」とあるように、技術的に万全を期し、キユーピーのマーケティング力・販売力に期待するところが大きいだろう。

いわば、キユーピーがアヲハタのTOBを進め、現在アヲハタの支配株主となり、連結子会社化することには、同根の会社の位置づけをグループ内の再編によってより明確化する意図があったものと思われる。

文:M&A Online編集部

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