愛媛県の銘菓としてつとに有名な「一六タルト」。キメこまやかなふわふわなスポンジに、ゆずの風味がただようたっぷりの餡。四国のおみやげはコレ! と決めている人も多いようだ。

もともとタルトは江戸時代、松山藩主の松平定行がポルトガル人から教わったといわれている。ポルトガル船が長崎に来航した際、海上警備に当たっていた松平定行が南蛮菓子のタルトに接し、その製法を松山藩に伝えたとされる歴史ある洋菓子だ。

そして、そのタルトで一躍有名になった一六タルトの製造元は一六本舗。1883年に創業した歴史のある会社だ。創業の1883年は明治16年。そこから「一六」の名称となったとされている。

分社化と統合を繰り返す

一六本舗は創業後約70年の1951年に有限会社一六になり、1975年には株式会社化した。さらに、1989年には菓子販売の株式会社一六本舗と菓子製造の株式会社一六に分社化し、1996年には菓子の製造・販売部門を一体化して株式会社一六本舗が生まれた。時機と業績、市場をにらみつつ、アメーバのように分社化と統合を繰り返してきたといえる。

現在は、一六本舗として歴史と伝統のある『一六タルト』をはじめ、各種の四国・愛媛名菓、ケーキ、洋菓子、和菓子、焼き菓子などを製造し、愛媛県を中心に約30店舗で販売している。現在の代表取締役は玉置剛氏で、玉置一族で経営を継いできたオーナー企業である。