え? なんであの会社がこの会社を買うの? この会社ってあのグループだったの? と思わず驚かずにはいられない、意外なM&Aがある。そんなディールを集めてみた。買収の狙い、そしてそこから見えてくるものとは…?

今回は、2017年2月にエレコム<6750>が連結子会社化したDXアンテナを取り上げる。8月7日に公表された第1四半期決算発表(2017年6月)によると、売上高 は232.5億円(前年⽐増減+20.3%)。DXアンテナがTV・AV関連、周辺機器の売上高拡大に寄与したほか、ネットワーク関連製品、ヘルスケア関連製品、VR関連製品が順調のようだ。

エレコム<6750>、DXアンテナを子会社化

(買収金額 約104億円 出資比率 約96%、買収時期 2017年2月)

PC周辺機器メーカーのエレコムは、船井電機の子会社であるDXアンテナの株式を買い取り子会社化した。狙いは、従来いわれ続けているものの垣根が高かった感のある「放送と通信の融合」によるシナジー効果。エレコムの通信分野、BtoCにおける営業力と、DXアンテナのBtoB、放送受信分野、電材電設市場、特定建設業の資格の結合により、「販売チャネルの相互利用」「BtoB 通信と放送の融合」「調達ノウハウの共有」「共通経費の削減」を見込む。

エレコムの設立は1986年。家電量販店を販路とするOA家具メーカーとしてのスタートだった。その後、フロッピーディスクケース、マウス、テンキー販売と取扱い商品を広げ、フロッピーディスクドライブの発売を機にハードウェア分野に参入、近年は下記のように、M&A戦略によって商品・事業領域を拡げてきた。

企業名事業内容
2004年 ロジテック HDDやODD製品開発および産業用PC
2011年 ハギワラソリューションズ 産業用SSD・CF・SDメモリやコントローラファームウェア開発
2014年 日本データシステム Intelベースのマザーボードや組込用Box PC開発
2016年 ワークビット LSIやインターフェーズボード開発技術

そして今回の買収による放送と通信の融合。そのシナジー効果の具体的イメージはこうだ。

たとえば、マンション、病院、ホテル、オフィスビル。既存のテレビアンテナ回線を利用して各室のネットワーク化提案を行う。DXアンテナのもつテレビ回線側の機器・技術とエレコムのもつインターネット接続機器・技術が融合すれば、そうしたことが可能となる。