通販会員数約1475万人(2019年7月期)、年商約1082億円(2018年7月期)のDHC。非上場ながら、日本の通販化粧品・健康食品業界の最大手の1つに成長した。同社の存在を広く世に知らしめたのは、1980年から始めた化粧品の製造販売、1983年から始めた通信販売事業、さらに1995年からスタートした健康食品の製造販売だった。

そのDHCは現会長の吉田嘉明氏が大学の研究室を対象にして委託翻訳業務を行ったことに始まる。1972年のことで、「DHC」とは「大学翻訳センター(Daigaku Honyaku Center)」から取ったものとして知られている。

その翻訳業務はもちろん、翻訳業務から生まれた語学書・翻訳書の出版、語学を中心とした教育事業は現在も広く展開している。そして今日、通販化粧品・健康食品業界にとどまらず、M&Aなどの手法によってさまざまな事業展開を図る。それは、まさに奇抜とも思えるような事業構成だ。

自社事業としてリゾートを運営し、ヘリコプターを飛ばす

まず、目を引くのはリゾート事業だ。「美と健康と癒しを提供する」として赤沢温泉郷と唐津シーサイドホテルを運営している。

毎年、赤沢温泉郷で開催される花火大会は、夏の伊豆の風物詩に

赤沢温泉郷は静岡県伊東市伊豆高原にあり、2001年の赤沢温泉ホテルの運営に始まった。現在は一大リゾート施設として、約24万㎡の広大な敷地に宿泊施設や日帰り入浴施設のほか、スパ、エステ、フィットネスクラブやプールなどで構成する。最近では「赤沢迎賓館」と称する超高級リゾート施設を併設している。

唐津シーサイドホテルは会長・吉田氏の郷里、佐賀県唐津市にあるリゾートホテル。国指定特別名勝として知られる虹の松原に隣接し、2015年に開業した。

そしてリゾート気分を満喫するため? ではないだろうが、本社事業としてヘリコプター事業の運営を2008年から始めた。同社ホームページによると、航空写真、動画空撮のほか、イベント遊覧、機体整備、運航受託など、さまざまなヘリコプター関連事業を展開しているという。東京都江東区新木場にある東京ヘリポート運航所を構え、横浜専用ヘリポートも設置。ビジネスにおける時間の有効活用、プライベートでの非日常体験など、さまざまなシーンで活用が可能。2016年にはヘリコプター事業会社としては初めてドローンによる空撮事業にも参入したという。

「健康と癒し」というテーマでは2010年から東京都板橋区内で介護事業(デイサービス)にも進出。最近では、新規事業として居宅介護支援と小規模多機能型居宅介護に乗り出した。