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【エイチ・ツー・オー リテイリング】 積極的なM&A攻勢で関西ドミナント戦略を深耕

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【財務分析】業界では特筆すべき売上・利益推移

  2016連結会計年度の売上高は9,156億90百万円(前連結会計年度比108.4%)、営業利益は238億25百万円(前連結会計年度比111.5%)、経常利益は230億60百万円(前連結会計年度比108.7%)となった。

  全体の業績としては、百貨店事業、スーパーマーケット事業、イズミヤ事業といった主力事業が好調に推移したことで、売上高、営業利益、経常利益等が過去最高となった。

 百貨店事業では、都市部の店舗において、大規模な改装を進め独自の品揃えを強化するとともに、広域への情報発信を行ったこともあり、外商顧客を中心とした国内富裕層に加えて、インバウンドの消費を取り込んだ。これらが奏功し、好調に推移した。

 建て替え工事中の阪神梅田本店は売場面積が約4割縮小したが、月ごとの全館テーマに沿った施策等が功を奏し、想定を上回る売上で推移した。一方、スーパーマーケット事業やイズミヤ事業においては、新規出店や既存店の改装による売上規模の拡大に加え、スケールメリットを活かした製造や調達、物流などの共通化によるコスト削減を行うなど、収益力の強化を図った。

 セグメント別に見ていくと、「阪急阪神百貨店」では、阪急うめだ本店がグランドオープンから4年目を迎え、更なる競争力強化のために売り場の大規模リニューアルを行い、いずれも順調な滑り出しとなった。その結果、阪急メンズ大阪を含めた阪急うめだ本店の売上高は218,358百万円、前期比で110.4%となった。

 阪神梅田本店では、建替工事により売場面積が約4割縮小したが、プロモーションの強化や、顧客施策を強化した結果、売上高は58,919百万円、前期比82.3%と、売場面積減少の影響を最小限にした。

 食品スーパー「阪急オアシス」では計5店舗を新規出店し、既存店舗を9店舗改装した。これにより、専門性・ライブ感・情報発信性を充実させた成長戦略の柱と位置づける「高質食品専門館」(平成28年3月末現在で全81店舗中58店舗)を拡大展開することで営業力強化を図り、売上高を伸ばした。

 食品製造子会社では、100円パン事業「阪急ベーカリー」が大阪府高槻市に新工場を拡大移設し、惣菜事業「阪急デリカ」が第2工場を増設するなど、今後のグループ食品事業の「製造」「卸売」「小売」の垂直統合を強め、さらなる事業規模の拡大を見据えたインフラ基盤の整備を行っている。

 他事業では、大井開発(東京都品川区)では、「阪急大井町ガーデンズ」がホテル部門、商業施設部門ともに好調に推移し、特にホテル部門において、アワーズイン阪急シングル館とツイン館の2館を合わせた客室稼働率が96.6%と、年間を通じて高い水準で推移した。

事業名 内容
百貨店 主として衣料品、身の回り品、家庭用品、食料品等の販売を行う百貨店業
その他 友の会業、個別宅配業、外食業、人材派遣業、情報処理サービス業等
スーパーマーケット スーパーマーケット業、食料品製造業
イズミヤ 総合小売業、食料品製造業、飲食店業等

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セブン&アイがバーニーズジャパンを完全子会社化したのは2015年2月。バーニーズのブランド力とバイイングや売り場編集力のノウハウが必要と判断したからだ。しかしセブン&アイホールディングスは、総合スーパー(GMS)主導のオムニチャネルに力を入れており、バーニーズの強みを活かし切れていない。