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【エイチ・ツー・オー リテイリング】 積極的なM&A攻勢で関西ドミナント戦略を深耕

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【M&A戦略】食品分野の補強により圧倒的な地域店を

  H2Oリテイリングが行ってきたM&Aを下表にまとめた。これまでのM&Aは、食品分野の補強を図るものが中心である。

■H2Oリテイリングの再編とM&A

公開日 内容
2006年6月 阪急ホールディングスによる阪神電気鉄道の公開買付け(TOB)が成立
2007年3月 株式会社阪急百貨店と株式会社阪神百貨店が経営統合
2007年10月 持株会社の初代阪急百貨店が商号変更。エイチ・ツー・オー リテイリング株式会社とする
2008年1月 連結子会社である阪急食品工業と合併(阪急食品工業は解散)
2008年1月 子会社の阪食とバローが相互の商品供給を目的とした業務提携を締結
2008年3月 阪急オアシス、阪急ファミリーストア、阪急ニッショーストア、阪急フレッシュエールのスーパーマーケット計4社を吸収合併。PM事業のモザイクリアルティを吸収合併
2008年10月 株式会社高島屋との業務提携及び資本提携を発表
2009年4月 台湾の「統一企業グループ」と業務提携。台湾に進出
2009年10月 物流子会社の江坂運輸と阪神運送の全株式をセンコーに譲渡
2010年3月 株式会社高島屋との経営統合を中止
2011年1月 子会社の大井開発とアワーズイン阪急が合併
2011年4月 九州地方で食品宅配事業を行っていたエブリデイ・ドット・コムの株式(約50.1%)を取得。保有割合が72.5%となり、東京・関西・福岡での宅配事業を展開。
2011年8月 近鉄百貨店と情報システム開発で業務提携
2011年8月 そば・うどんチェーンの家族亭の株式(57.17%)を投資ファンドより取得。公開買付け(TOB)が成立し、連結子会社化
2012年11月 和食チェーンの株式会社梅の花と資本・業務提携を締結
2014年5月 子会社の家族亭を完全子会社化
2014年6月 スーパーの株式会社イズミヤを子会社化
2014年10月 合弁会社 寧波阪急商業を設立。中国で百貨店事業展開へ
2015年2月 梅の花の子会社化を検討
2015年3月 株式会社高島屋との相互保有株の比率を5%に引き下げ
2015年7月 台湾の「統一企業グループ」との提携を解消
2015年12月 株式会社梅の花の子会社化を撤回
2016年10月 株式会社セブン&アイ・ホールディングスと資本業務提携を締結
2016年10月 株式会社関西スーパーマーケットと資本業務提携を締結

M&A Online編集部作成

 2007年に阪急百貨店を完全親会社、完全子会社を阪神百貨店として株式交換を実施し、百貨店事業を新設分割することにより阪急百貨店を持ち株会社とした。阪急百貨店は経営統合まで関西ドミナントエリアでのマーケットシェア拡大に取り組んでおり、うめだ本店を大阪梅田地区での圧倒的な地域1番店とすることを目標としていた。

 一方、阪神百貨店は梅田本店を中心に3店舗を構え、阪神地域に密着しながら事業を展開してきた強みがあった。阪神百貨店の梅田本店は定評のあるデパ地下売り場を中心に独自性のある営業戦略で他店との差別化を図り、梅田地区において地域2番目の地位を築いた。

 2006年9月の両社の業務提携以降、8つの部会(婦人服・服飾品、紳士服、子供服・スポーツ用品、フード・ギフト、リビング、外商、備品等調達一元化、共同プロモーション検討)を中心として、どのような連携をすることが今後の競争優位に結びつくか検討を重ねてきた。その結果、両社のブランドと経営資源を共有することにより、お互いの強みを伸ばすことで合意した。

 それは大阪梅田地区において隣接する両本店を合わせた超大型の店が大阪梅田地区に生まれることを意味する。その超大型店のメリットを最大限活用することにより、大阪梅田地区での競争優位性の実現を目指した。

 一方、2010年には高島屋との経営統合が中止になっている。この背景には、百貨店業界を取り巻く経営環境が大きく変容したことがある。2008年の金融危機を契機に消費が低迷し、さらに消費構造の変化が急激に加速、その結果、新たな事業モデルへの変革を待ったなしで求められる状況になった。

 急変する経営環境も考えると、両社の異なる経営戦略をすり合わせることに多大なエネルギーを投入するよりも、それぞれで新しい事業モデルの再構築を通して経営の質的向上を図っていくことを最優先すべきと考え、経営統合は中止することに合意した。

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