事業承継やM&Aに詳しい行政書士を探す

事業者によっては、許認可については長年付き合いのある行政書士に任せているため、社内にわかる者がいない、といった場合も少なくありません。

最近のケースでは、経営者が急逝したため親族によって経営を承継しようと進めていたところ、許認可についてわかる者が見つからず、請求書などを探して、最近担当した行政書士を見つけ出し、ようやく手続きを進めることができた例もあります。

「何ごとも事前の計画が大切ですが、いざとなってから動くのでは遅すぎることもあります。日頃から接している行政書士に少しでも早く相談しておくと、後がスムーズです」

では、事業承継について詳しい行政書士はどこにいるのでしょうか。

「たとえば、入管業務(ビザ、帰化申請)に特化している行政書士など、いまは専門性を前面に出している事務所が増えています。ところが、事業承継やM&Aに特化した行政書士は実はほとんどいません。そこで、士業・資格者の横のつながりから相談して見つける方法があります」

たとえば、行政書士と顧問契約している企業は、その行政書士に事業承継やM&Aにまつわる許認可に詳しい行政書士を紹介してもらうことも一法です。また、ほとんどの企業は税理士を顧問としているでしょうから、顧問税理士から紹介を受けるのもいいでしょう。一般社団法人コンブリオのように、行政書士のスペシャリスト集団に相談すれば、それぞれの地域の許認可行政に詳しい行政書士を紹介してもらえる可能性もありますし、状況に応じて事業承継やM&Aに強い弁護士など、必要な専門家との橋渡しも可能です。

ふと考えた将来、自分たちの事業はどう継続していくのか、そのとき許認可はどうなるのか。これまで大切にしてきた顧客に迷惑をかけない方法はあるのか。行政書士は経営者の悩みに、現場レベルで実務的に対応していく存在といえるでしょう。

次回は業種に特化した事業承継、M&Aにまつわる許認可の注意点ついて、解説していきます。

 舛本哲郎(ライター・行政書士)/編集協力:一般社団法人コンブリオ