建設業、風営法、外国人(入管業務)がキーワード

いざ事業承継やM&Aとなったとき心配な点は、譲受した事業が予定通りに再スタートできなくなる可能性です。

事業承継では会計年度を含め、タイミングのすりあわせをしっかり計画しなければ、思わぬ支障を来すことがあります。会計士、税理士などによる税務・財務的な側面に加えて、許認可面でのサポートが不可欠です」

 代表者が替わることで、届出の代表者の名義変更をすればよいと思っていたものが、それでは要件を満たさず、それまで有効だった許認可が無効になる可能性もあります。場合によっては、役員として前の代表者を残しておかなければ、スムーズに事業を継続できないといった事態も生じます。

「とくに注意していただきたいのは、建設業。とりわけ公共事業の入札に参加している事業者です。また風営法、外国人(入管関係)でも、注意深く扱いに留意しておくべきことは多いでしょう」

 たとえば、風営法では、大きく3つの要件が重視されています。

1、人的要件事業承継・M&A後の経営者や管理者が適格者であるか
2、場所的要件事業承継・M&A後の営業エリアが許可を受けられる用途地域であるか
3、構造的要件事業承継・M&A後の建物、施設が許可に適合しているか

事業承継では、主に人的要件、場所的要件が問題になりやすいですね」

前の事業者が許可を得たときには、認められた用途地域だったのに、その後、その範囲内に幼稚園などが設立され、新規に許可が下りなくなった、といったケースが考えられます。

「事業を引き継ぐ側も、しっかりリサーチしておく必要があります。本当にこのまま以前の業務を引き続き行えるのか。あるいは、さらに発展させることができるのか。事前に把握したうえで、事業を承継しなければなりません」

そのとき、地元の行政の対応に精通している行政書士、あるいはその業種の許認可に精通している行政書士のアドバイスが役に立つのです。

「許認可は、書類を書いて出せば通る場合もあります。ところが、その書類の書き方によって書類不備として扱われ、通らなくなってしまうケースもある。そのたびごとに何度も修正して提出し直すなど試行錯誤する時間はもったいありません。その点、行政の対応をよく理解している行政書士に任せることが、手っ取り早い解決策となります」