「成就」か「白紙」か、日米をまたぐ攻防戦に

歴史をひも解けば、富士フイルムHDと米ゼロックスとの関係は60年近くに及ぶ。富士ゼロックスを折半出資で設立したのは1962年。ゼロックス製品の国内販売からスタートし、その後、開発・製造を含めた一貫体制を整え、営業地域もアジア、オセアニアに広がった。2000年に日本側が出資比率を75%に引き上げ、富士ゼロックスを連結子会社化した。売上高は富士ゼロックスが1.1兆円、ゼロックスが1.2兆円。

現在、複写機など事務機市場では米HPが世界トップで、以下、キヤノン、リコー、ゼロックス、富士ゼロックス、コニカミノルタ、セイコーエプソン、ブラザー工業などが続く。ゼロックス、富士ゼロックスは統合後、HPと並ぶ首位に躍り出る。ただ、ゼロックスが基盤とする欧米市場はデジタル化によるペーパーレス化の進展などで成熟期に入り、業績は伸び悩んでいる。一方、富士ゼロックスは経済発展が著しいアジア新興国の成長を取り込む形で事業を伸ばしてきた。買収後はワールドワイドで一貫した経営戦略に基づき事業拡大を図っていくことが問われる。

大型買収の成就か、それとも白紙を意味する赤信号に切り替わるのか、日米をまたぐ攻防戦から目が離せそうにない。

文:M&A Online編集部