「シリコンバレーは日本企業を求めている」|編集部おすすめの1冊
本書は日本企業がイノベーションを起こし、再び世界に影響を与える存在になるための道筋を示しており、どのようにすればイノベーションを起こせるかの具体策が盛り込まれている。
数あるビジネス書や経済小説の中から、M&A Online編集部がおすすめの1冊をピックアップ。M&Aに関するものはもちろん、日々の仕事術や経済ニュースを読み解く知識として役立つ本を紹介する。
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「君、クビだから」とオーナー経営者の理不尽な一言で解任され、泣く泣く会社を去った取締役の悲話は決して珍しくない。一時は話題になるが、社員も株主もそしてマスコミにも「仕方ないよな」の一言で忘れられてしまう。
そうしたオーナー経営者のやりたい放題の暴挙が公然と非難されるのは、無軌道なワンマン経営で会社が経営危機や破綻に直面した時だ。
それまでオーナー経営者に異を唱えなかった社員や株主、マスコミ、それどころか「忠臣」だったはずの取締役までもが、「いずれこうなることは分かっていた」と堕ちたトップを激しく非難する。
とはいえ、その時には会社は再起不能に近い状態まで叩きのめされていることがほとんど。だったら、その前になんとかしよう!というのが、「コーポレートガバナンス」の考え方だ。
今や国内企業でも当たり前となっている「コーポレートガバナンス」だが、掛け声ばかりで実態が伴わない企業も少なくない。
本書は「コーポレートガバナンスの優等生」と呼ばれたLIXILグループでの「オーナー経営者の暴走」とそれに立ち向かった「プロ経営者の抵抗」を、双方の当事者から取材してまとめた「ガバナンス戦記」である。
住友商事出身で、BtoB(企業間取引)インターネット通販サイト企業のモノタロウの立ち上げと新規株式公開(IPO)を果たした瀬戸欣哉は、LIXILグループの旧トステムオーナー家出身の潮田洋一郎に乞われて同社の社長兼最高経営責任者(CEO)に就任する。
瀬戸は就任前に潮田が主導した野放図なM&Aにメスを入れ、お気に入り企業の売却を検討したことで対立が表面化。潮田から「指名委員会の総意で辞めてもらうことになった」と一方的に解任を通告される。
本書は日本企業がイノベーションを起こし、再び世界に影響を与える存在になるための道筋を示しており、どのようにすればイノベーションを起こせるかの具体策が盛り込まれている。
今年も1月~3月の3カ月間で、40冊以上の書籍やM&Aの特集記事を組んだ雑誌が出版されました。