数あるビジネス書や経済小説の中から、M&A Online編集部がおすすめの1冊をピックアップ。M&Aに関するものはもちろん、日々の仕事術や経済ニュースを読み解く知識として役立つ本を紹介する。
「改訂5版 M&A実務のすべて」 有限責任監査法人トーマツ 北地達明ら4氏編 日本実業出版社 刊
そのタイトルの通り、「M&A実務のすべて」を網羅した一冊。2015年に「入門書の次に読むM&Aの本」として刊行され、今回で改訂5版を数える。改訂は前回版からほぼ3年ぶりで、内容は2022年2月1日時点の法令などに基づく。
章立ては前回版を踏襲した。「M&Aの場面」「M&Aのプロセス」「ストラクチャー」「バリュエーション」「デューデリジェンス」「ポスト・マージャー・マネジメント」「法務」「税務」「会計」、そして前回版で新設された「M&Aガバナンス」の全10章で構成する。
改正会社法の施行で2021年3月にM&Aの新たな手法として加わったのが株式交付。自社株式を買収対価とする手法としては株式交換(1999年に導入)があるが、株式交換は完全子会社化を目的にするケースに限られる。これに対し、取得割合が100%でなくても50%超であれば、利用できるのが株式交付で、親子関係の形成が従来よりも行いやすくなる。本書では第2章「ストラクチャー」の中で、意義や特徴に言及している。

第4章「バリュエーション」では買収後の会計処理であるPPA(パーチェス・プライス・アロケーション)に関する項を新たに追加し、そのやり方を要領良く説明。PPAは買収時点で対象会社に存在するブランドや顧客基盤などの識別可能資産を無形資産として時価ベースで算定することで、買収の目的や実態をより明確に財務報告に反映するのが狙い。
第8章「税務」では2022年度から適用される「グループ通算制度」を取り上げた。これまでの連結納税制度との違いや基本的な仕組み、新制度適用開始時の時価評価、欠損金の取り扱いなどについて詳しく説明している。
2020年には外国人投資家による上場企業への出資規制を強化する改正外為法が施行されたが、こちらは第7章「法務」で触れている。
本書は実践的な内容を身上する。企業などのM&A担当者にとっては机上に備えておきたい一冊といえる。(2022年3月発売)
文:M&A Online編集部
タイ・バーツの急落をきっかけに発生したアジア金融危機の際に、経営が破綻した韓国第4位の銀行である韓国第一銀行を、米国の投資ファンドが買収した。この交渉過程の一部始終を描いたのが本書だ。
2021年に出版されたM&A関連や事業承継をテーマにした本をすべて紹介します。
武田勝頼、上杉景勝、北条氏政ら戦国武将12人が行った事業承継やブランディング、人事、生存戦略などを、SWOT分析の手法を用いて、現代のビジネスで参考になるようにまとめた。
「事業承継を検討している経営者が法務、税務の観点から最適解を発見できることを目的にまとめられたのが本書。同時に税理士や金融機関、コンサルティング会社の担当者らにも参考になるように仕上げてある。
コロナ禍で出版不況と言われるなかでもM&Aをテーマにした書籍の発刊が相次いでいます。最近出版(2021年7-9月)されたM&A関連本をまとめました。
M&Aで失敗しないための実践的な対応策を啓蒙することを目的に、20人を超えるM&AのプロがM&Aに携わる企業担当者や専門家ら向けに、本格的なM&A実務解説書としてまとめ上げた。
「事業再構築補助金制度」に必要な事業計画書を作成するのに活用できるクロスSWOT分析について解説したのが本書。説得力のある計画書の書き方を実例を交えて紹介している。
4年前に企画会社を起業した元中堅広告代理店のデザイナー・河西神凪と、共同経営者の松村彩芽の2人の女性が、老舗の和菓子店の事業を譲り受ける過程をマンガで紹介したのが本書。