数あるビジネス書や経済小説の中から、M&A Online編集部がおすすめの1冊をピックアップ。M&Aに関するものはもちろん、日々の仕事術や経済ニュースを読み解く知識として役立つ本を紹介する。
「アドバイザーが教える M&Aで知っておくべき新常識」 森山保著、日本経済新聞出版刊
企業の規模や業種を問わず、今や経営の常套手段となったM&A。経済ニュースの主役を張ることもしばしばだ。企業の経営者だけでなく、一般のビジネスパーソンにも“必修科目”となりつつある。もっとも、本書は事業承継や中小企業M&Aに限定したノウハウ本の類ではない。その道のプロの視点で、近年のM&Aについて知っておくべきことを網羅的に記した。

M&Aの急増とともに、ホットなテーマとして取り上げられることが多くなったのが仲介会社の利益相反問題。M&Aの場面では少しでも高く会社を売りたい者と、少しでも安く会社を買いたい者が向き合う。仲介会社が関与した取引では売り手と買い手のどちらかの利益を犠牲にすることになりかねないとの懸念だ。
M&A専門業者の形態は仲介会社とアドバイザー(助言会社)に大別される。中小企業M&Aの多くは前者の仲介会社によって進められている。売り手と買い手の双方から手数料を得るため、「両手取り」と言われる。これに対し、アドバイザーは売り手か買い手のどちらか一方と契約する「片手取り」だ。本書のタイトルにあるように、著者はアドバイザーの立場から、仲介の功罪を論じる。
「会社の値段」がどうやって決まるのか。基本的なアプローチを踏まえ、価格決定までの経緯について、ニトリホールディングスによる島忠の買収、マツモトキヨシホールディングスとココカラファインの経営統合、NTTによるNTTドコモの完全子会社の3つの事例を紹介している。
株式譲渡、合併、株式交換、株式交付、株式移転、会社分割、事業譲渡…。M&Aを理解するうえで、避けて通れないのがスキーム(取引手法)。①M&Aの対象が法人そのものなのか、それとも事業なのか②その対価は現金、あるいは株式③M&A対象の法人・事業を買い手企業の中に取り込むのか、それともぶら下げるのかーの3点をポイントとして指摘する。
M&A市場の主要プレーヤーとして存在感が高まる一方の投資ファンドについて詳しく触れた。「ファンドは悪者でも何でもなく、投資家の一つだ」として、その活用方法や実像に迫っている。
著者はM&A助言大手のマクサス・コーポレートアドバイザリー(東京都中央区)社長。これまで関与したM&A成功案件は400件以上という。(2022年4月発売)
文:M&A Online編集部
エイチ・ツー・オー リテイリングとオーケーが、関西スーパーを巡って繰り広げた争奪戦をまとめ上げたのが本書。日本企業が株主総会のあり方を考えるうえで、参考になる一冊といえそうだ。
あなた自身がM&Aを検討している場合、あるいは、あるM&A案件の有用性を外部または内部に説明しなければならない立場である場合、「新版 企業戦略論 戦略経営と競争優位(下)」は役に立つだろう。
企業買収は買収成立がゴールではなく、そこがスタートとなる。文化の異なる2社の経営を統合する作業がそこから始まるからだ。本作品はフィクションだが、PMIを追体験できる内容に仕上がっている。
今年も1月~3月の3カ月間で、40冊以上の書籍やM&Aの特集記事を組んだ雑誌が出版されました。
タイ・バーツの急落をきっかけに発生したアジア金融危機の際に、経営が破綻した韓国第4位の銀行である韓国第一銀行を、米国の投資ファンドが買収した。この交渉過程の一部始終を描いたのが本書だ。
2021年に出版されたM&A関連や事業承継をテーマにした本をすべて紹介します。
武田勝頼、上杉景勝、北条氏政ら戦国武将12人が行った事業承継やブランディング、人事、生存戦略などを、SWOT分析の手法を用いて、現代のビジネスで参考になるようにまとめた。