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「税理士のための 中小企業のM&Aサポートブック」|編集部おすすめの1冊

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数あるビジネス書や経済小説の中から、M&A Online編集部がおすすめの1冊をピックアップ。M&Aに関するものはもちろん、日々の仕事術や経済ニュースを読み解く知識として役立つ本を紹介する。

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「新税制対応 税理士のための 中小企業のM&Aサポートブック」 中村大相著 ぎょうせい刊

M&Aに関わる業種と言えば、証券会社やM&A仲介業者が真っ先に思い浮かぶかもしれない。しかし、税理士や公認会計士、弁護士といった「士業」も、欠かすことができない必須のパートナーだ。とりわけ中小企業のM&Aにおいて、税理士が果たす役割は大きい。

新税制対応 税理士のための 中小企業のM&Aサポートブック

なぜならオーナー経営がほとんどの中小企業にとって、M&Aは即、経営者個人の納税問題に直結するからだ。「たかが税金」と侮ってはいけない。高成長が望めるスタートアップ企業のM&Aがわが国で少ない理由は、欧米諸国に比べて企業譲渡税制上の制約が大きかったからだと言われている。 

本書では、こうした税制上の問題の指摘と、その反省から実施された税制改正について丁寧に解説している。2021年税制改正の「中小企業の経営資源集約化に資する税制」における設備投資減税や雇用を促す税制、中小企業事業再編投資損失準備金など、M&A税制の最新情報を知るための良書だ。

税務以外にも、近年のM&A市場の状況や事業承継の効用、行政・民間によるM&A支援策、マッチング、デューディリジェンス(DD)といったM&Aの進め方などについての説明もあり、税理士だけでなく、M&Aの当事者になりうる中小企業経営者にもおすすめの一冊だ。

公認会計士・税理士でもある著者は、監査法人からM&A仲介大手のストライク<6196>に移り、最前線で実務に当たってきたエキスパート。中小企業のM&Aニーズが高いにもかかわらず、「M&Aなんてわからない」「ウチには関係ない」と距離を置く公認会計士や税理士も少なくないという。

著者は税理士を「中小企業において最も頼れるパートナー」と見ており、後継者問題に悩む中小企業経営者に「M&Aも一つの選択肢」とアドバイスできるようになるべきだと考え、本書を執筆したという。全国の税理士にとって「必読の書」と言えるだろう。(2021年12月発売)

文:M&A Online編集部

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