【バリューゴルフ】4年で売り上げ倍増へ カギ握るのはM&A

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写真はイメージです(増える若いゴルファー)

100億円のうち15億円分はM&Aで

近年の主なM&Aは、2016年から2018年までの2年間に実施した4件がある。皮切りとなったのは、2016年にゴルフ用品やスポーツ用品の販売を手がけるジープ(千葉県浦安市)の全株式を取得し子会社化した案件だ。

当時ジープは「ジーパーズゴルフショップ」を運営し、10万人の会員を保有していた。バリューゴルフは会員向けにゴルフ用品を販売する新たなサービスを開始し、登録会員の囲い込みを狙った。

次いで実施したのが、破産したゴルフスタジアムが保有するインドア・ゴルフスクール「e-golf stadium 大崎」(東京都品川区)の運営事業を2017年に取得した案件。バリューゴルフはゴルフ場向けの予約システムサービスやゴルフ関連情報誌の発行などを手がけており、これらサービスとの相乗効果創出を見込んだ。

2018年には2月と8月に立て続けに旅行関連の企業を手中に収め、トラベル事業を新たな事業の柱に据えた。

まずは日本旅行協会(東京都台東区)の全株式を取得し、ゴルフ事業に関連したトラベルサービスの内製化や周辺サービスへの事業展開に乗り出した。その半年後に産経旅行を買収した。

産経旅行は当時、年間4万人以上の在日外国人向け旅行や出張手配などを手がけており、バリューゴルフでは需要の拡大が見込まれていたインバウンド(訪日外国人旅行客)需要の取り込みと、メディカルツーリズムなどの新事業領域の開拓に取り組んだ。

このあと現在(2023年2月)に至るまでM&Aはなく、2027年1月期までに新たなM&Aを実施する計画で、目標とする売上高100億円のうち15億円分をM&Aで稼ぎ出すという。

「既存事業の領域拡大や垂直統合のためのM&A」「事業領域拡大のためのM&A」「DX(デジタルトランスフォーメーション)の強化を推進するためのM&A」の三つを具体的なターゲットに掲げる。最初に実現するのはどの分野だろうか。

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