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【理研計器】「研究所発ベンチャー」は成熟して海外に活路を拓く

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さらに「次のステップ」へ

ガス検知器市場の世界市場は年間8000億~9000億円と小さい。いわゆる「ニッチ市場」だ。そのため大手企業が参入しにくく、海外へは進出の余地がある。理研計器は海外の半導体工場や石油、天然ガスプラント向けにガス検知器を売り込む。

海外向け販売が増加すれば、生産能力の引き上げが必要になる。埼玉県春日部市の開発センター敷地内に新たなガス検知器のセンサー生産拠点となる「生産センター」を建設中で、2020年6月に完成する。こうした取り組みで、海外販売比率の引き上げを図る。

石炭から石油へのエネルギー革命を受けて、製品を進化させてきた理研計器。石油から天然ガス、太陽電池へ向かう「新たなエネルギー革命」、石油化学に代表される重厚長大から半導体や薄型ディスプレーへ向かう「新たな産業革命」といった大きな変化にも対応してきた。

今後は同社が得意とする小型化技術に注目だ。ワンチップでスマートフォンに内蔵できるガス検知モジュールを供給できれば、現在の産業用とは比べものにならないほど巨大な「コンシューマー市場」へ進出できる。

理研計器が開発した世界最小・最軽量の4成分ポータブルガスモニター(同社ホームページより)

これまでの産業用と同様に有毒ガスや一酸化炭素濃度などの測定で命を守るだけでなく、呼気の成分を分析して健康管理に利用することも可能だろう。当然、スマホに供給するとなると、現在の生産体制では対応できない。理研計器がこうした全くステージの違う分野に乗り出す時、新たなM&Aが展開される可能性も十分にある。

文:M&A Online編集部

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