【オーケー】関東ローカルスーパーが関西連合に「待った」をかけた切実な理由

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「買収の失敗」を成長に活かす

ではなぜオーケーは、またもドミナント戦略のセオリーを無視したTOBをしようとするのか?実は東北での失敗が、関西スーパーへのTOBを断行するきっかけになったのである。東北進出の失敗は、ドミナントを築けなかったことにある。ただ「ドミナント戦略で集中出店」と言っても、そう簡単にはいかない。「カネにものを言わせればなんとなかる」ほど甘くはないのだ。

例えば松山市に本社を置くスーパーマーケットのフジ<8278>は、親会社で広島市に本社を置く十和(現・アスティ)が地元展開を目論んだが、先行するスーパーのイズミ<8273>の出店が進んでいたため、1967年に1号店を松山市にオープンした。その後は四国地方でドミナントを確立。中国地方への進出は1980年代以降のことである。

フジは親会社のある広島県でなく、愛媛県からドミナント展開を始めた=写真は松山市のフジ本町店(フジホームページより)

地道に出店を続ける「正攻法」では、ドミナントの確立までに時間がかかりすぎるのだ。もたもたしている間に地元チェーンとの競争は激化し、ただでさえ利幅が薄い上に値引き合戦を仕掛けられて赤字が積み上がることになる。コンビニなどの異業種への進出も同じことだ。

つまり他の地域でのドミナント確立や、異業種への参入で最も重要な要素は「時間」なのである。短時間のうちに関西地方でドミナントを確立し、食品スーパーへの参入を成功させるのには、すでにドミナントを完成させている地域の大手企業を買収するTOBが最適なのだ。オーケーの狙いも、そこにある。

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