【カゴメ】5年後にはトマトから野菜の会社に

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写真はイメージです

野菜拡充にM&Aの可能性も 

同社がホームページで公表している情報によると、最初の主要なM&Aは2002年に実施した雪印ラビオの全株式の取得だ。雪印ラビオはチルドデザートや乳酸菌飲料などを製造、販売しており、当時(2002年3月期)の売上高は146億円だった。 

同時にカゴメは、全国ネットワークと流通のノウハウを持つ雪印アクセスの一部の株式も取得しており、両社との関係を深めることでチルド事業の拡大に取り組んだ。 

さらに、ここ10年間の主なM&Aをみると4件の実績がある。最初のM&Aは2010年に、オーストラリアのトマト加工会社セデンコ・オーストラリアなどの事業を譲り受けた案件。 

セデンコ・オーストラリアは生トマトの加工、販売のオーストラリア最大手で、南半球での原料生産拠点を確保するのを狙いにM&Aに踏み切った。 

二つ目は2013年に米国の種子開発会社United Genetics Holdingsを子会社化した案件。United Geneticsは米国をはじめ5カ国に事業会社を持つ企業で、トマトなどの野菜やフルーツの種子開発、生産、販売を手がけている。 

カゴメは優れたトマト品種を含む農業資源の開発を進めており、United Geneticsの子会社化で、海外事業を拡大した。 

三つ目は2015年に家庭用エスニック食品を扱う米国のPreferred Brands International, Inc.を子会社化した案件。 

同社は電子レンジ対応のアジア系エスニック食品を全米の主要スーパーマーケットで販売しており、この分野では米国第1位のシェアを持っていたが、大きなシナジーが見込めなかったため、2017年に譲渡した。 

直近では2019年に行った物流事業の見直しがある。カゴメは、味の素、日清オイリオグループ、日清フーズ、ハウス食品グループ本社の食品メーカー4社とともに、新物流会社F-LINEを設立(カゴメの出資比率は22%)し、100%出資子会社のカゴメ物流サービスをF-LINEに統合した。 

運転手不足が慢性化する中、5社が保有する倉庫やトラックなどを共同利用して、効率的で安定的な物流を実現するのが狙いだ。 

同社がトマトの会社から野菜の会社になるための取り組みには、これらM&Aの経験が生かされるはずで、2025年に向けてどのようなM&Aが飛び出すのか。同社の動向が注目される。 

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