持続的成長のカギ、M&A“3連打”のシナジーをどう引き出す

東海カーボンは1918年、「東海電極製造」としてスタートした。炭素製品の国内自給を目的とし、1936年には国産黒鉛電極の輸出を始めた。BtoB製品を主力とするため、ふだん目に触れる機会はほとんどないが、その事業領域は自動用タイヤ、太陽電池、半導体、リチウムイオン電池負極材、プリンターの黒色トナー、農機・建機やオートバイのブレーキやクラッチなど、日常生活のさまざまな分野に広がっている。

新事業の一つがリチウムイオン電池関連。リチウムイオン電池は電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド(PHEV)など環境対応車の普及に伴い需要が急速に膨らんでいるが、その電池性能は負極材である炭素材料によって左右される。同社は長年培ってきた技術力を生かし、黒鉛系炭素材料を使った負極材の生産に乗り出している。負極材については、昨年子会社した米拠点の東海カーボンGEホールディングでの生産も今後検討する。

黒鉛電極事業の急拡大を追い風に、有卦(うけ)に入る同社。今期は全社の売上高が倍増し、2000億円を突破する見通しだ。ただ、需給がひとたび緩和すれば、市況が反落し、業績を直撃しかねない。変動リスクを抱える中、持続的な成長路線にどう道筋をつけていくのか。新たな100年に向けて繰り出した今回のM&Aの3連打。まずはM&Aのシナジー(相乗効果)を確実に引き出すことが一にも二にも問われる。

主な沿革とM&A
1918 東海電極製造として創立(東京都に本店、名古屋市に工場)
1936 日本初となる黒鉛電極の輸出を実現
1941 日本初となるカーボンブラックの製造を本格開始
1975 東海カーボンに社名変更
1992 東洋カーボンと合併
2000 タイのカーボンプロダクト(現東海カーボンプロダクト)を子会社化
2005 ドイツの黒鉛電極メーカー、エルフトカーボン(現東海エルフトカーボン)を買収
2014 カナダのサーマルブラックメーカー、カンカーブを買収
2017 ドイツ企業の米子会社で黒鉛電極製造のSGL GE カーボン・ホールディング(現東海カーボンGEホールディング)を買収
2018 半導体製造装置用部材メーカー、韓国東海カーボンを子会社化(5月〉
米のカーボンブラックメーカー、シド・リチャードソン・カーボンを買収(9月完了予定)

文:M&A Online編集部