一気に「2000億円企業」の仲間入りへ

500億円のM&A投資枠に基づく新たなM&Aが表面化したのは第1四半期決算後の5月半ば。韓国にある持分法適用会社の韓国東海カーボンを連結子会社化すると発表した。同社は1996年に合弁で設立し、現在、半導体製造装置向けの炭素ケイ素(SiC)を使ったリング状部材などでトップ企業に成長した。売上高は132億円。子会社化によって経営の意思決定を迅速化し、成長が続く韓国半導体市場での事業拡大につなげるねらいだ。

東海カーボンに次ぐ2位株主の地元半導体メーカーKCから9%を取得し、持ち株比率を44.4%に引き上げた。50%を下回るが、実質基準で連結子会社とした。取得額は78億円。

9月に買収を完了する米国のカーボンブラックメーカー、SRCを含めて1年足らずでM&Aの3連打となった。投資総額は約550億円。当初枠の500億円を完全に使い切ったばかりか、かなりオーバーした形だ。

もっとも海外M&Aは今回が初めてではない。2005年にドイツの黒鉛電極会社、エルフトカーボン(現東海エルフトカーボン)を子会社化。2014年には、カナダのサーマルブラック会社、カンカーブを約180億円で買収した。天然ガスを主原料とするサーマルブラックは主に自動車用ゴム製品に使われ、カンカーブは世界シェア6割を持つ。

韓国東海カーボンの子会社化を受けて5月末に、通期の業績予想を再度上方修正。売上高は92%増の2040億円(従来予想1940億円)、営業利益は5.7倍の657億円(同637億円)を見込み、一気に2000億円企業の仲間入りを果たす。秋以降は米SRC業績に寄与してくることから、もう一段の上振れが確実視される。

〇業績の推移(単位:億円)

 18/12期予想17/12月期
売上高 1940 1062
・黒鉛電極 931 236
・カーボンブラック 585 478
・ファインカーボン 155 144
・工業炉関連 112 68
・摩擦材 96 86
・負極材 59 46
・その他 2 2
営業利益 637 114

※18年12月期予想は5月8日時点。その後、韓国社の子会社化に伴い、売上高、営業利益を上方修正したが、セグメント別の売上内訳は開示されていないため、便宜的に5月8日時点の予想を用いた。