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「アップルウォッチSE」でグーグルのFitbit買収に暗雲か

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アップルとの格差拡大でグーグルが興味を失う

さらには8月に入ってから、フィットビットの株価は6.3ドル代に値下がりしている。これはグーグルの買収額である1株当たり7.35ドルより約13%も低い。フィットビットはアップルの「シリーズ6」発売に先手を打って高級機種の「Sense」を投入したが、廉価版ながら高性能の「SE」という思わぬ伏兵の登場で足をすくわれる格好だ。

ただでさえフィットビットとアップルの差は開くばかりだ。2020年上期(1-6月)のスマートウォッチ世界市場で、フィットビットの出荷額シェアは前年同期の3.4%から2.4%に縮小。一方、アップルのシェアは43.2%から51.4%に拡大している。「アップルウォッチSE」の投入で、アップルのシェアは新興国を中心にさらに拡大するだろう。

グーグルにとってフィットビットの買収は、合意時に比べて魅力的なものでなくなっているのは事実だ。それどころかアップル1社のシェアが半数を超えたことで、グーグルがスマートウォッチ市場に興味を失う可能性もある。

予定通りにグーグルがフィットビットを買収しても、「飼い殺し」で終わる懸念も出てきた。グーグルは2012年5月に米モトローラの携帯電話部門などをモトローラ・モビリティとして買収したが、2014年10月には同社を中国パソコン大手のレノボ・グループに売却した。

2013年12月には米ロボットベンチャーのボストン・ダイナミクスを買収したが、2018年2月には同社をソフトバンクグループに売却している。フィットビットは移り気なグーグルの買収戦略に翻弄されるリスクに直面することになりそうだ。

文:M&A Online編集部

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