牛丼「すき家」一強が鮮明に 「吉野家」はコロナ前に届かず「松屋」は未定

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写真はイメージです

ゼンショーホールディングス(HD)<7550>、吉野家ホールディングス(HD)<9861>、松屋フーズホールディングス(HD)<9887>の牛丼大手3社の2022年の第1四半期決算が出そろった。

ゼンショーHDは営業、経常、当期の全段階で黒字転換したものの、吉野家HDと松屋フーズHDの両社は2期連続の営業赤字となった。

通期でもゼンショーHDがコロナ前の2020年3月期を大きく上回る見通しなのに対し、吉野家HDは2020年2月期の実績を、売り上げ、営業利益ともに下回り、松屋HDは業績予想を未定としたままだ。

第1四半期を終えた時点で、ゼンショーHD一強の構図は一段と鮮明になったといえそうだ。

ゼンショー、86%の営業増益に

ゼンショーHDの2022年3月期第1四半期は前年同期比18.9%の増収となった。「すき家」などの牛丼事業の既存店売上高が同14.0%増、「ココス」「ジョリ―パスタ」などのレストラン事業が同24.4%増、「はま寿司」などのファストフード事業が18.5%増といずれも前年同期実績を上回った。

これに伴って損益も改善し、営業損益は46億円の赤字から28億円の黒字に、経常損益も48億円の赤字から51億円の黒字に、当期損益も63億円の赤字から12億円の黒字に転換した。

この流れは続くとの見通しで、2022年3月期通期は前年度比15.6%の増収を予想。利益も営業段階で同86.3%、経常段階で70.2%の増益、当期利益はおよそ4倍の大幅な増益となる。

【ゼンショーHDの第1四半期の業績推移】単位:億円

2020年3月期 2021年3月期 2022年3月期
売上高 1533.19 1283.73 1526.07
営業損益 44.34 △46.81 28.75
経常損益 40.82 △48.46 51.42
当期損益 19.17 △63.82 12.32

【ゼンショーHDの通期の業績推移】単位:億円、2022年3月期は予想

2020年3月期 2021年3月期 2022年3月期
売上高 6304.35 5950.48 6880.63
営業損益 209.18 120.88 225.16
経常損益 199.03 122.15 207.89
当期損益 119.78 22.59 91.39

吉野家は2期連続の営業赤字に

吉野家HDの2022年2月期第1四半期は、感染拡大防止協力金や雇用調整助成金などを計上したことから経常損益、当期損益が黒字化するものの、本業の儲けを示す営業損益は、緊急事態宣言による来店客数の減少などの影響から2期連続の赤字となった。

売上高は主力事業である牛丼の「吉野家」が前年同期比3.4%減と振るわなかったのに加え、子会社の持ち帰りずしの京樽を売却した影響などが36億円ほどあったことなどから、こちらも2期連続の減収を避けられなかった。

うどんの「はなまる」事業は前年同期比35.9%の増収となったほか、海外事業も同17.4%の増収を達成した。

2022年2月期通期は営業、経常、当期のすべての段階で黒字化を達成できる見込みだが、売上高は京樽の影響などもあり、前年度比9.0%の減収を予想する。

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【吉野家HDの第1四半期の業績推移】単位:億円

2020年2月期 2021年2月期 2022年2月期
売上高 527.99 396.81 364.5
営業損益 10.44 △49.55 △2.06
経常損益 12.54 △42.78 25.2
当期損益 10.97 △40.87 15.33

【吉野家HDの通期の業績推移】単位:億円、2022年2月期は予想

2020年2月期 2021年2月期 2022年2月期
売上高 2162.01 1703.48 1551
営業損益 39.26 △53.35 27
経常損益 33.69 △19.64 52
当期損益 7.13 △75.03 20

松屋の通期見通しは未定

松屋フーズHDの2022年3月期第1四半期は経常損益、当期損益はいずれも黒字転換したものの、営業損益は2期連続の赤字を余儀なくされた。

売上高は前年同期比6.6%の増収を達成。既存店売上高が同6.5%の増収となったほか新規出店による増収効果などもあり、前年実績を上回った。

2022年3月期通期は業績予想を算出するのは現時点では困難として、前回予想の「未定」を変えなかった。

【松屋フーズHDの第1四半期の業績推移】単位:億円

2020年3月期 2021年3月期 2022年3月期
売上高 255.42 211.5 225.36
営業損益 12.69 △26.04 △8.88
経常損益 12.99 △25.49 19.93
当期損益 6.69 △18.29 10.67

【松屋フーズHDの通期の業績推移】単位:億円

2020年3月期 2021年3月期 2022年3月期
売上高 1065.11 944.1 未定
営業損益 50.79 △16.83 未定
経常損益 54.38 0.33 未定
当期損益 26.04 △23.76 未定

文:M&A Online編集部

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