米国バイオベンチャーのモデルナは2021年8月12日に、同社製新型コロナウイルスワクチンが、感染力の強いデルタ株などの変異株に対しても2回目接種後6カ月間有効であると発表した。
変異株の急速な感染拡大に対応して、3回目のワクチン接種が検討されている中、今回の発表は3回目接種の時期や投与量などを検討する際の大きな判断材料となりそうだ。
日本ではモデルナのほかに、米大手製薬会社のファイザーが開発したワクチンを使用しているが、同ワクチンについては、時間の経過に伴い効果が低下することが伝えられている。
モデルナとファイザーのどちらのワクチンを接種したのかで、3回目接種の状況が大きく変わってくる可能性もありそうだ。
モデルナは、変異株に対するモデルナ製ワクチンの抗体の生成に関する新しいデータを公開し、米国の科学雑誌サイエンスに掲載されたと発表した。それによるとモデルナのワクチンを接種した個人の大多数は、2回目の投与後6カ月間、変異株に対する抗体が維持され、93%の持続的な有効性が確認できたという。
この研究では、感染拡大が懸念されているデルタ株をはじめ、アルファ、ベータ、ガンマ、イプシロン、イオタに対しても抗体が生成されたという。
一方、海外の報道によるとファイザー製ワクチンは、2回目接種から2カ月間に90%台半ばだった有効性が、6カ月後には80%台半ばにまで低下するとの報告がある。また同社製ワクチンを3回接種することで、デルタ株に対する抗体が大幅に増えることも報告されており、2回目接種から6カ月後以降に3回目を接種することで変異株による感染を抑えられる可能性が高いという。
3回目接種については、すでにイスラエルが実施しているほか、日本でも3回目接種に向けた検討が始まっている。ただ、3回目接種は感染を防ぐ効果は高いものの、強い副反応が出る可能性があるとの指摘がある。
なおモデルナは8月13日に米国食品医薬品局が、同社製ワクチンを18歳以上の免疫不全患者に3回目接種を行うことを承認したと発表している。
文:M&A Online編集部
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