産経新聞が8月から月ぎめ購読料を引き上げる。全国紙5紙では2017年11月に日本経済新聞が値上げの先陣を切って4年近くになるが、その“大トリ”を務めるのが産経新聞だ。裏を返せば、後出しじゃんけんを選択せざるを得ない事情も見え隠れする。
産経新聞の月ぎめ購読料(税込み)は8月1日をもって朝刊のみの東京本社版が3034円から3400円に、夕刊がある大阪本社版が4037円から4400円になる。大阪本社版のうち、夕刊発行がない地域の統合版は3400円(現行3034円)となる。一方、朝刊1部売り(即売)は一律120円で据え置く。
原材料費の上昇や人手不足で新聞の製作費や輸送・配達コストが増え続け、戸別配達網の維持が困難な状況にあり、「内部努力は限界に達した」と説明。足元の2021年3月期業績は売上高16.7%減の878億円、営業利益69.2%減の14億6600万円、最終利益64.8%減の5億7000万円。部数減と広告減のダブルパンチに見舞われている。
東京本社版の購読料改定は消費税増税時を除き、2002年4月に夕刊を廃止し、朝刊単独紙に移行して以来19年4カ月ぶり。東京本社版に限られたが、夕刊廃止は全国紙で初めてで、この時は購読料が3850円から2950円に引き下げられた。
産経新聞より一足早く、今年7月には朝日新聞、毎日新聞がそろって月ぎめ購読料を27年半ぶりに引き上げた。朝夕刊セットは従来、朝日も毎日も4037円で同じだったが、新購読料は朝日が4400円、毎日が4300円。朝日は読売新聞と同額としたが、毎日は100円安い価格とした。産経の大阪本社版は読売、朝日と横並びの4400円で落ち着いた。
全国紙では日本経済新聞が先行し、2017年11月に4509円から4900円に23年ぶりに値上げした。2019年11月には最大手の読売新聞が続いた。しかし、これ以降は2年半にわたり、動きがぱたりと止まり、残る朝日、毎日、産経の対応が注目されていた。
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こうした中、朝日、毎日の出方を見定めたうえで、値上げのカードを切ったのが産経。経営体力の点からも、値上げが待ったなしの課題だったのは間違いないが、事はそう簡単ではないからだ。
その一つがアキレス腱ともいえる販売網の脆弱さ。産経の場合、全国的に自前の販売店(専売店)が限られ、首都圏でも朝日など他系統の販売店に配達を委ねているケースが多い。その販売店にとっては系統本紙以外はあくまで協力紙に過ぎず、価格政策で主導権を握るのが難しい立ち位置にあるのだ。同様のことは毎日にもいえる。
産経は東京本社管内で朝刊単独紙として、購読料の安さをセールスポイントとしてきたが、他紙の統合版(朝刊のみ。読売、毎日は3400円、朝日3500円)と価格が逆転したりすると、他紙への乗り換えが進みかねない。
また、朝夕刊セットを基本とする都内など首都圏でも夕刊を購読しない、いわゆるセット割れが増えており、ここでも他紙との価格差が縮小し、部数が奪われるおそれがある。
厳しい部数状況と苦しい販売店経営との板挟みもあったようだ。購読料の取り分は発行本社が約6割、販売店が約4割とされる。購読料上げは読者離れを加速するとの懸念がある一方、販売店の体力を考えれば、一刻の猶予もないとの指摘がもっぱらだ。
◎全国紙5紙の購読料(8月1日時点。※値上げ予定)
| 月ぎめ購読料 | 朝刊1部売り | |
| 読売新聞 | 4400円 | 150円 |
| 朝日新聞 | 4400円 | 160円 |
| 毎日新聞 | 4300円 | 150円 |
| 日本経済新聞 | 4900円 | 180円 |
| 産経新聞(東京)※ | 3400円 | 120円 |
| 産経新聞(大阪)※ | 4400円 | 120円 |
文:M&A Online編集部
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