【2021年】レオパレス、タメニ―…債務超過転企業が続々と

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2018年4月に発覚した施工不良問題に揺れるレオパレス21

レオパレス21、鴨川グランドホテル、タメニーも・・・続々と債務超過転落

2021年に入って債務超過に転落する企業が後を絶ちません。6月に婚活事業のタメニー(旧:パートナーエージェント)<6181>、鴨川グランドホテル<9695>、オイスターバーを運営するゼネラル・オイスター<3224>、レオパレス21<8848>、ホテル・不動産事業のポラリス・ホールディングス(旧:価値開発)<3010>、近鉄系旅行会社のKNT-CTホールディングス<9726>が債務超過による上場廃止に係る猶予期間に入ったと発表しました。2023年3月までに債務超過が解消できない場合、上場廃止となります。

客数の減少や利益率の高いアルコールの提供ができない飲食店、オリンピックに一縷の望みをかけていたホテル、三密回避でイベントが実施できない婚活事業者、国内外の旅需要が消失した旅行業など、新型コロナウイルス感染拡大の影響を色濃く受けています。

この記事は、2021年に入り債務超過に陥った企業の詳細を説明する内容です。

鴨川グランドホテルは物件を売却するか

鴨川グランドホテルはもともと財務体質の脆弱な会社でした。2020年3月末時点で自己資本比率が0.3%と債務超過ギリギリの状態に追い込まれていました。2021年3月期の売上高が前期比36.0%減の23億8,800万円となり、5億7,800万円の営業損失(前期は4,800万円の赤字)、5億900万円の純損失(同6,500万円の赤字)を計上。債務超過額は4億6,600万円となりました。

鴨川グランドホテルはコロナ前から成長性に欠けており、増資の引き受け手は見つかりにくく、金利や配当水準が高めに設定されるメザニンファイナンスもしづらいと考えられます。ただし、鴨川グランドホテルは物件を多く保有しています。有価証券報告書によると、鴨川グランドホテル本体の帳簿価額が33億5,200万円、鴨川グランドタワーが13億7,500万円、ホテル西長門リゾートが5億9,200万円となっています。西武グループのように、所有する物件の一部を手放すという選択はあるかもしれません。

2019年3月に第三者割当増資を実施し、不動産投資のスターアジアグループが73.05%の株式を保有するポラリス・ホールディングスもホテル事業で業績が悪化した企業の一つです。2021年3月期の売上高は前期比45.5%減の29億7,200万円、営業損失は16億2,700万円(前年同期は1億8,100万円の赤字)、21億100万円の純損失(同1億9,100万円の赤字)を計上しました。債務超過額は7億8,400万円です。ポラリスは親会社の救済が最もありそうなシナリオです。

タメニーは婚活パーティーの参加者が前期比75.0%減となったほか、2019年に買収した「スマ婚」のメイションの結婚式取扱件数が激減した影響により、2021年3月期の売上高が前期比45.9%減の44億2,900万円、21億7,600万円の営業損失(前年同期は7,800万円の黒字)、23億1,600万円の純損失(同200万円の黒字)を計上し、3億9,900万円の債務超過となりました。

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業態転換しづらいオイスターバー

ゼネラル・オイスター<3224>は2021年3月期の売上高が前期比34.7%減の23億3,800万円となり、3億5,900万円の営業損失(前期は1億4,600万円の赤字)、6億4,100万円の純損失(同1億600万円の赤字)を計上しました。1億1,600万円の債務超過に陥っています。

ゼネラル・オイスターは外食企業の中でも、とりわけ舵取りが難しい会社です。

ゼネラル・オイスター「2020年3月期第1四半期決算説明資料」より引用
ゼネラル・オイスター「2020年3月期第1四半期決算説明資料」より引用

主力業態はオイスターバーです。大庄やチムニー、エー・ピーホールディングスなどが運営する居酒屋店は、定食店への転換を急いでいます。これは巨額の設備投資を必要とせず、オペレーション(店舗運営)の改善で業態転換ができるためです。目先は夜の集客ができないため、昼に集客できる店舗づくりを、お金をかけずに進めているのです。コロナがひと段落し、宴会など夜の需要が回復すれば、設備投資をすることなく居酒屋としての営業に戻せます。戦略的な転換がしやすいのです。

しかし、供給体制や調理場が牡蠣に専門特化しているオイスターバーは効率の良い転換ができません。しかもゼネラル・オイスターの店舗は商業施設の中に入っているものが多く、施設そのものの一時閉店や時短営業の影響を真正面から受けてしまいます。

目下、ECサイトによる牡蠣の販売を行っていますが、店舗の売上の穴埋めはできていません。身動きが取れず、苦しい状態に置かれています。2019年11月に投資ファンドのマイルストーン・キャピタル・マネジメント(千代田区)を割当先とした新株予約権の発行により、1億円の資金調達をしました。今後も株式の希薄化を伴う増資や、場合によってはワラントの発行など一時的な痛みを伴う資金調達を重ね、急場を凌ぐ他ないのかもしれません。

社会的な信用を失ったレオパレス21

毛色の全く異なるのがアパート経営のレオパレス21です。同社は2018年4月に施工不良問題が表面化して以降、急速に業績が悪化していました。2021年3月期にとうとう債務超過へと転落したのです。

レオパレスの界壁未設置問題が発覚したのは2018年4月。火災時の延焼を遅らせる目的で、あるべき界壁が天井裏まで達していないなどの施工不良物件が数多く見つかりました。レオパレスは費用の一部を負担し、施工不良の疑いがある物件の入居者に転居を促しました。

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■レオパレス21売上高と純利益の推移(単位:百万円)

レオパレス21売上高・純利益推移
レオパレス21「2021年3月期 決算概要」より作成

レオパレスは2019年3月期に686億6,200万円、2020年3月期に802億2,400万円、2021年3月期に236億8,000万円の純損失を計上しました。施工不良が見つかる前の2018年3月末時点で自己資本比率は47.2%に達していたにも関わらず、巨額損失を重ねたことによりわずか3年で債務超過となったのです。

レオパレスは賃貸事業のほかに高齢者住宅やグアムのリゾート施設運営を行っています。債務超過を解消して再び収益力を取り戻すため、ノンコア・不採算事業の譲渡や撤退を計画しています。

文:麦とホップ@ビールを飲む理由

麦とホップ @ビールを飲む理由

しがないサラリーマンが30代で飲食店オーナーを目指しながら、日々精進するためのブログ「ビールを飲む理由」を書いています。サービス、飲食、フード、不動産にまつわる情報を書き込んでいます。飲食店、宿泊施設、民泊、結婚式場の経営者やオーナー、それを目指す人、サービス業に従事している人、就職を考えている人に有益な情報を届けるためのブログです。やがて、そうした人たちの交流の場になれば最高です。

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