「Meiji」が韓国企業との合弁を解消し、開発に力を入れる医薬品「DMB-3115」とは

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写真はイメージです

Meiji Seikaファルマ(Meiji、東京都中央区)は2021年9月末に、韓国の東亜ソシオホールディングス(ソウル市)との合弁会社であるDMバイオについて、Meijiが保有するDMバイオの全株式を 東亜グループに譲渡することを決めた。

DMバイオはバイオシミラー(バイオ医薬品の特許が切れた後に発売するバイオ後続品)をはじめ各種医薬品の製造、販売を目的として2015年に設立された企業で、MeijiはDMバイオの経営権を手放すことで、東亜ソシオホールディングスと共同開発中のバイオ後続品「DMB-3115」に資源を集中することにした。

DMB-3115とはどのような薬なのか。

バイオ医薬品の後続品開発に注力

DMB-3115は、皮膚病の一種で皮膚に銀白色のかさぶたや紅斑が現れる尋常性乾癬や、炎症性腸疾患の一つで腹痛や下痢、血便、発熱などを伴うクローン病、大腸の炎症性疾患である潰瘍性大腸炎などの治療に用いられる「ウステキヌマブ」のバイオ後続品。

欧州で健康成人296人を対象に実施した第1相臨床試験では、「DMB-3115」の安全性と薬物動態学的特性を、先行バイオ医薬品と比較したところ、生物学的同等性が検証された。さらに「DMB-3115」の忍容性(耐えうる副作用の程度)は良く、安全性上の懸念は認められなかったという。

このため国際共同治験として第3相臨床試験を開始しており、今後「DMB-3115」の有効性や薬物動態などを確認する。

Meijiは乳業、菓子、医薬品などを手がける明治ホールディングス<2269>の傘下企業で、合弁解消後はバイオシミラー開発のほか、2018年に明治ホールディングスが子会社化したKMバイオロジクス(熊本市)との一体運用による新規バイオ医薬品の研究開発などに取り組む、としている。

現在、KMバイオロジクスは、新型コロナウイルスワクチンの国内第1/2相臨床試験を進めており、2021年中に第3相臨床試験実施に向けて準備を進める予定という。

一方、DMバイオはGMP(製造管理、品質管理の基準)体制が完成し、安定的な製造体制も構築できたことから、東亜グループが経営権を握ることで迅速な意思決定が可能になるとしている。

MeijiはDMバイオ株式の譲渡価格やDMバイオの業績などの詳細は明らかにしていない。

文:M&A Online編集部

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