米国による為替監視リストの推移(2016年4月以降)
リスト追加年月 | 国名 | 該当 | 備考 |
---|---|---|---|
2016年4月 | 中国 | 〇 | 2019年8月から為替操作国に指定、2020年1月に指定解除 |
台湾 | 2020年1月にリストから除外 | ||
韓国 | 〇 | ||
日本 | 〇 | ||
ドイツ | 〇 | ||
2016年10月 | スイス | 〇 | 2019年5月にリストから除外、2020年1月に再リスト入り |
2018年4月 | インド | 2019年5月にリストから除外 | |
2019年5月 | アイルランド | 〇 | 次回にリストから除外する可能性を示唆 |
イタリア | 〇 | ||
ベトナム | 〇 | ||
シンガポール | 〇 | ||
マレーシア | 〇 |
為替操作国に指定する基準は、以下の3つだ。
・対米貿易黒字が年間200億ドル(約2兆2000億円)以上
・為替介入のための外貨購入が1年間で6カ月以上実施され、かつ国内総生産(GDP)の2%以上
・経常黒字がGDP比で2%以上
このうち2つが該当すれば為替監視国リストに入れ、3つすべてに該当すると為替操作国の指定を検討する。
日本は為替監視国リストの常連で、今回で8回連続のリスト入りとなった。日米の長期にわたる貿易不均衡が問題視されている。日米貿易交渉でも米国が為替操作国指定をちらつかせ、自国に有利な協定を日本に強いてくる可能性が高い。
為替操作国に指定されれば関税引き上げなどの経済制裁が待っているだけに、日本経済にとっても深刻な問題になる。さりとて米国の圧力に屈して円高に誘導すれば輸出企業の業績が大打撃を受け、国内景気の悪化に加えてM&Aなどの海外投資が落ち込む危険がある。決して他人事ではないのだ。
文:M&A Online編集部