世界中の約200カ国で信用取引保険を展開する仏コファスグループが4半期ごとにカントリーリスク・マップを発表している。すでに20年近い実績を持つ。その狙いや活用法について、コファスジャパン信用保険会社(東京都港区)のシニア・バイス・プレジデントで与信業務部長の田中豊氏、バイス・プレジデントのジョナタン・ペレズ氏(マーケティング&コミュニケーションズ部)に聞いた。

まず、トップ画像がコファスグループが4半期ごとに発表するカントリーリスク・マップだ。一般のビジネスマンに広く開示され、A1からEまでリスクの程度を8段階で国別に表示し、それぞれの国のリスク内容についてコメントしている。

3つのアングルから信用情報を精査

カントリーリスクというと、多くの人は外務省が発表する「海外安全ホームページ」やその情報をもとにしたニュースなどで知る紛争や気候災害、風土病・感染症など海外渡航時に確認するリスク情報が一般的。だが、同社のカントリーリスク・マップは趣が異なる。

決算書を入手しやすいかどうか、また支払い遅延情報などを分析

「当社が公表しているカントリーリスク・マップは、企業の信用リスク情報に基づいたもので、その国の企業から決算書を入手しやすいかどうか、また当社で保険契約している顧客からの相手企業の支払い遅延情報など、主に3つの柱に基づいています」と田中豊氏は語る。

すなわち、①当該国の経済、政治、財政上の見通し(地政学的にみた弱点、経済面での脆弱性、外貨の流動性リスク、対外債務超過、国家財政の脆弱性、金融部門の健全性)、②事業環境、③企業の決済動向の3点である。

内紛や暴動、風土病、政情不安など国の一般的なリスク情報を背景にして、上記のようによりビジネス・取引に関連する情報を精査して表現したマップということになる。

同社は2000年から、この格付情報に基づいたカントリーリスク・マップを開示してきた。現在は161カ国について8つに色分けし、また、13のセクター(業界)に分けて、詳細なリスク情報をまとめている。

「当社はもともとフランスの国営企業で、その信用保険部門が独立して事業を営むようになりました。国情分析は国が行うとしても、そのリスクに対する取引信用情報の把握と保険の付保までは国で行うのはむずかしい。その部門を当社が充実・発展させてきたのです」(ジョナタン・ペレズ氏)