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「スタートアップ大国」イスラエルのM&A、18年は過去最高に

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「スタートアップ大国」イスラエル関連のM&A(買収および売却)総額が、2018年に過去最高の216億ドル(約2兆3400億円、対前年比77%増)に達したことが、大手会計事務所・総合コンサルティングファームであるPwC イスラエルのレポートで分かった。

ただし、同レポートの総額には取引完了前の米メドトロニックによる脊椎手術支援ロボット「メイザーX」を手がけるメイザー・ロボティクス買収(16億4000万ドル=約1780億円)や、1件で150 億ドル(約1兆6200万円)を超える例外的な超大型買収は含まれていない。

案件数は 2017 年 の131 件から 2018 年は124 件(同5.3%減)へ減少している。2018 年の平均買収額は2億6700万ドル(約289億円、同88%増)だった。

最先端の生命科学と製薬産業の買収総額は、2017年の 47 億ドル(約5100億円)から2018年は13億ドル(約1410億円、同72.3%減)と3分の1以下に激減した。その結果、2018年のM&Aではローテク分野がハイテク・生命科学分野を上回っている。

PwC イスラエルはハイテク分野での買収案件数の減少について、ハイテク分野の企業が成長を続けているのを受けて、買収される機会を先延ばししているためとみている。イスラエルの起業家の間でエグジットを急ぐ傾向が弱まり、より高く売却できるタイミングをうかがっているようだ。

製薬分野での減少は、2016 年に買い手、2017 年には売り手として積極的なM&Aを展開してきたテバ・ファーマシューティカル・インダストリーズが2018年のディールを手控えたことも影響したようだ。

国別にみるとトップの米国企業による買収が、2017年の37億ドル(約4010億円)から2018年には129 億ドル(約1兆4000億円、同約3.5倍)に急増。一方、日本を含む東アジアからの案件数は変わらなかったが、買収総額は減少したという。

トランプ政権の親イスラエル政策に伴い、米国企業によるイスラエル企業の買収が急増(Photo by The White House)

文:M&A Online編集部

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