ロサンゼルスタイムズは2018年5月25日、「トランプの関税強迫観念が自動車工業を脅かす」との記事を掲載した。同紙は「ハンマーだけを持った人にはあらゆる物が釘に見えるように、トランプ大統領には、すべての貿易問題が輸入関税への叫びに聞こえる」と皮肉をこめた。同記事は上記のニューヨークタイムズ報道と以下の3点で共通している。
・今回の政策の有効性について=米自動車産業は回復したもののその雇用はピーク時の30%減である。それはオートメーション化の帰結であり、グローバル競争だけのせいではない。
・相手国からの「確かで素早い報復」の指摘=日本、ドイツ、中国などの主要輸出国は対米の関税引き上げのための十分な余力があることを理由とした。
・トランプ政権の関税による脅しを貿易相手国との「戦術」として利用している点=たとえばNAFTAをめぐるメキシコとカナダ、北大西洋条約機構(NATO)をめぐるドイツ、そして中国などへの牽制(けんせい)が挙げられるとした。
さらに同記事は自動車産業のグローバルなサプライチェーン(部品供給網)を根拠に、米国内での自動車全体の価格上昇を予測した。米国内で組み立てられる車には、多くの外国製パーツが使われている。高関税が課せられれば輸入パーツの調達コストは上がるため、米国製の車も関税引き上げの影響を免れない。
さらにゼネラルモーターズ(GM)をはじめとする米国車メーカーが、外国で生産した車を自国へ輸入していることも忘れてはならない。
一方で海外のメーカーは、米国で開発・生産拠点をを増やしている。設計や技術、部品製造などに従事した米国人労働者の人数にかかわらず、国外で組み立てられたというだけで価格が急上昇することになる。
そのうえで今回の関税引き上げは「結局のところ、商品の値上げによる消費者への課税だ」と批判した。すなわち輸入品の高価格化により「直接あるいは間接的に高価な国内モデルを購入するよう促して、商品値上げへ誘導するものだ」と指摘している。
ベライゾンによる米ヤフーの買収手続きが完了ましたが、6月15日付の日経によると、米ヤフーの商標権はベライゾン側に移るようです。
地震や台風などの自然災害やトランプ氏の次期米大統領当選による為替の乱高下など、2016年もさまざまな出来事が国内外で相次いだ。