3.後継者の育成について

 筆者が事業承継コンサルティングを行う際に経営者に話を聞いてみると、親族外よりも親族内から後継者を選びたい、ご子息に兄弟がいる場合は長男に会社を継がせたい、という心情を持つ経営者が多いです。しかし、経営者としての資質や能力が備わっていないまま会社を継がせると、会社は衰退してしまいます。よって、後継者決定後は、社内・社外での後継者教育(前回のコラム参照)を事業承継前から計画立てて進めて、後継者を育成しておくことが重要です。

 後継者を1人に絞れない場合は、後継者塾(主に自治体、公的機関、民間企業が主催)に後継者候補や将来の幹部候補を複数人参加させて、経営者としての資質や能力、成長度合いを見てから後継者を決定するのもひとつの方法です。

 以上、後継者選定のポイント、後継者選定後の留意点、後継者の育成についてお伝えしました。

 支援者として経営者に後継者の選び方をアドバイスする際は、親身になって話を聞くことで経営者の心情をくみ取りつつ、後継者が経営者としての資質や能力があるかの見極め方、親族内での話し合いの重要性、後継者育成の計画の立て方について説明し、経営者から理解を得ることが大切です。

文:和田 純子(中小企業診断士)