会社を譲渡した後も、社長が会社に残ることはできる?

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※画像はイメージです

A:事業承継を目的としないM&Aの場合、オーナー経営者が会社に残るケースも珍しくない

譲渡後のオーナー経営者の処遇は、ご本人のご希望だけでなく、譲り受け企業側の方針によって変わってきますので、一概には申し上げられません。

しかしながら、事業承継を目的としない、例えば今回のご相談者のように大きな資本の傘下での成長を目的とされる企業譲渡においては、現経営者にM&A後も積極的な経営参画を期待されるケースは多いです。

例えば営業が得意なオーナー経営者であれば、特定エリアの営業責任者である取締役営業部長として残り活躍する、というようなことが考えられます。

実際の例として、オフィス向けの情報通信機器の販売・保守等を行う会社を買収したある会社では、創業者を事業責任者という立場で迎え入れました。

また、ドラッグストアを経営されていた先代の急逝により、急きょ修行先から戻って後を継がれた20 代の2代目経営者が、大手ドラッグストアが急拡大する中で単独での生き残りは難しいと判断。業界大手に会社を譲渡した後、当時の従業員達と共に新事業開拓の最前線に立たれてご活躍されているという事例もあります。

そのほかにも、技術畑のご出身で、ご自身も既製品・新製品の商品開発のノウハウを保有されているオーナー経営者が、譲渡企業の代表取締役を継続しつつ、譲り受けた企業でも技術責任者(取締役)に就任する兼務でご活躍されているケースもあります。

この方は新しいサービス・商品の開発のアイデアをたくさんお持ちであるにもかかわらず、多くの時間を会社の資金繰りなどにとられて開発にこぎ着けられないというジレンマを抱えていました。そこでM&Aにより大手資本の傘下に入ることで、資金繰りの手間や連帯保証の重責から解放され、研究開発に集中できる状態を実現されたのです。

事業に積極的に関与し、新たな成長戦略を描くことも可能

事業承継型のM&Aであっても、オーナー経営者が顧問や代表権のない取締役という形で会社に残り、M&A後の両社間の融和にご尽力されたり、経営に関するアドバイスをなさったりするケースは多く見られます。

株式譲渡後の経営者のあり方は一様ではありません。事業から離れて第二の人生を歩む方がいる一方で、そのまま事業に関与し続け、大企業の資本や知名度を活かした新たな企業成長戦略を描くことも可能です。

今回のご相談者のようにご自身の希望が明確であり、ご自身のセールスポイントや譲渡後のメリットが想定できるのであれば、M&Aで買い手企業を募る際の条件に自らが会社に残ることを織り込まれるのも効果的だと思われます。

ご自身や自社の状況を鑑みて、ご希望やご不明なことがありましたら、ぜひ専門のM&Aアドバイザーにお気軽にご相談ください。

M&A情報誌「SMART」より、2015年7月号の記事を基に再構成
文:M&A Online編集部

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