5-5 従業員の株主化を推進しよう(2)

2016年3月末の時点で、従業員の持株会への拠出金に対し企業側から一定の奨励金を支給している企業は、従業員持株制度を有する企業3123社の96.7%にあたる3019社で、平均支給額は拠出金1000円に対し80.04円だそうです。50円支給の企業で計1304社、次に多いのは100円支給の995社です。200円以上支給している企業も137社に上っています。

この奨励金額は徐々に増えていますが、まだまだ不十分な額といわざるを得ません。

従業員株主の拡大のためにはまずこの奨励金の増額から始められてはいかがでしょうか。

1000円の従業員拠出に対し、企業から100円の奨励金支給は、企業が従業員に対し将来の株価下落リスクを10%まで負担してくれるのと同じですから、一般の投資に比べて極めて有利な投資条件だということを従業員によくPRして理解してもらう努力が必要です。

この奨励金増額の施策と同時に、従業員個人の保有株式の一部引き出しの条件緩和や、定期的な従業員向けIR説明会実施などの工夫も必要かもしれません。

いずれにせよ、従業員の株主化は企業にとっては敵対的買収リスクの軽減と同時に社内一体感の醸成に貢献し、従業員にとっては業績の改善=ROE向上が第三者株主だけでなく従業員株主である自分たちとってもプラスになるということを理解していただき、さらなる加速のための施策を実施していただきたいと願っています。

文:クロス・ボーダー・ブリッジ株式会社 代表取締役 藤原裕

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