中期経営計画の目標はROEだけで十分

多くの企業は中期経営計画として売上と利益の目標値を公表されています。

しかし売上げは外部環境に大きく左右されます。国内景気、欧米の経済動向、新興国の成長率そして為替レートなど、自分たちでコントロールできない外的要因により想定した売上計画は、あっという間に手の届かないところに行ってしまいます。

3年の中期計画を発表した直後に外部環境が変わり、残りの期間ずっとレームダック状態に陥った企業を数多くみてきました。

マクロ経済や市場そして為替など外部環境は経営の努力ではどうにもなりません。

そんな外部環境に大きく依存する売上は目標ではなく、あくまで想定値にとどめておくべきだと思います。せめて自助努力が目に見える市場シェア拡大とすべきでしょう。

中期計画で目標とすべきは、経営の努力が発揮される項目です。その観点から、売上げではなく利益優先ということになります。売上が未達になりそうであれば、原価を下げる努力をして総利益を確保するよう努力する余地があります。それも難しいようであれば、一般販売管理費などの経費を削減して営業利益を確保するよう努力する、それも難しい状況となれば、遊休資産や低採算事業を売却して当期純利益を確保する努力をする余地があるからです。最後に当期純利益確保も難しくなれば、発行済み株式数を削減して一株当たり利益(EPS)を確保、あるいは株主資本の圧縮を図ってROEを確保するという経営努力も残されています。

このように売上が想定から外れても、いくつかの経営努力を重ねれば、なんとか利益あるいはROE目標は手の届くところに近づいてきます。外部環境依存の売上を中心とした中期計画はやめにして、より実現可能な中期計画を株主・投資家は待ち望んでいます。

文:クロス・ボーダー・ブリッジ株式会社 代表取締役 藤原裕

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