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【資本効率革命の波3-3】各事業部門のBSを策定する

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3-3 各事業部門のBSを策定する

規模の大きくない企業の多くではBSを各部門で策定するのは手間がかかるあるいは共有資産の配分ができないという理由で部門のBSを策定してないと聞いています。しかし、各事業部門が売上・利益を上げるためには、運営上必要な事業資産と事業負債を活用していますが、それを基礎から支える資本もまた活用しているのだということの認識を持ってもらうことが必要です。

そのためには各事業部門にそれぞれのBSを策定してもらうことです。

まず全社連結の流動負債(買掛金)と流動資産(売掛金や商品在庫)を各事業部門に振り分けましょう。これらの資産あるいは負債はどの部門に属するものか見分けがつきやすいので、比較的簡単に各部門に割り振ることができると思います。現預金は売上規模あるいは変動費+固定費の規模で比例配分するのが妥当かと思います。

次に固定資産ですが、土地建物や機械設備など製造にかかわる固定資産を各部門で共通に使用していて各部門にどう割り振るか悩ましい場合には、例えば各部門の製造固定費あるいは製造原価の大きさで割り振るという方法もあります。

いずれにせよ、共通使用の資産あるいは負債は各部門の固定費とか従業員数などを使って比例配分するなど、多少の誤差には目をつぶってすこし大胆な方法でまずはBSを各部門で策定してください。

このようにして各部門に流動負債、流動資産そして固定資産を配分すると(上図の黄色い部分)、各部門のBSの右下に空白の部分ができます。

この空白部分が事業部門が本社から供給されて使っている資本なのです。

事業部門の資本=固定資産+流動資産-流動負債

上の式の(流動資産-流動負)を運転資本といいますので
事業部門の資本=固定資産+運転資本
とも表されます。

文:クロス・ボーダー・ブリッジ株式会社 代表取締役 藤原裕

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藤原 裕

経歴: 1974年 東京大学工学部資源開発工学科を卒業 1974年 三井海洋開発(株)入社、海洋石油掘削装置(リグ)の開発およびマーケッティングに従事 1987年 安田信託銀行(株)入社、M&Aコンサルティングチーム統括、同社ニューヨーク副支店長、シカゴ支店長歴任 1998年 オムロン(株)入社、米国子会社社長、本社財務IR室長、執行役員常務・グループ戦略室長、同・経営IR室長歴任 2011年 オムロン(株)退社 2011年 クロス・ボーダー・ブリッジ(株)設立、代表取締役に就任(現任) 2013年 ナブテスコ(株)社外取締役に就任(現任) HPはこちらから http://cross-border-bridge.com/index.html


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