あらためてROEとは何か、その意味するところ

株主資本当期純利益率ROEはReturn On Equityの略で、株主資本(Equity)に対する利益(Return)の割合で以下の計算式で表されます。

ここで注目していただきたいのはこの数式の分子も分母も100%株主に帰属する項目であるという点です。つまりROEの意味するのは株主の出資分に対して、企業は毎年いくらの還元(リターン)をするのかという、株式会社の基本の指標なのです。

まず分子の当期純利益は営業利益やあるいは税前利益などいろいろある利益の中で最終的に株主に帰属する利益(あるいは損失)です。1年間の企業活動で得た売り上げから、かかった費用(仕入れ、製造、人件費、経費、支払利子そして税金など)を差し引いて残った最終利益(損失)が当期純利益(損失)です。この当期純利益は100%株主に帰属するものなので、株主から100%還元(配当)してくださいと決議されたら、還元しなくてはならない利益です。

次に分母の株主資本です。企業は事業を行っていく上で必要な資金を、株主以外にも銀行から借り入れたり(有利子負債)、あるいは仕入れ先への支払いをある一定期間待ってもらったり(仕入れ債務)して調達していますが、これらは返済期限の決まった調達資金です。一方、株主資本は株主から調達した資金で、最終的に株主に帰属すべきものですが、ただ他の債務と違うのは決められたリターン(利子など)も返済期限もない点です。

日本でROEがなかなか根付かなかったのは、高度成長期に当期純利益のほとんどを再成長のために内部留保することが当たり前になっていて当期純利益が100%株主に帰属するという意識が薄かったことと、株の持ち合いにより株主資本はコストのかからない資金源だと誤解されていたことが要因だと思われます。

文:クロス・ボーダー・ブリッジ株式会社 代表取締役 藤原裕

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