2-2 まず本社で取り組む資本効率化(1) 余剰資金の圧縮

前回の記事でも述べたように、過去から一貫して多額の利益を出しながら、十分な株主還元を行わず、当期純利益のほとんどを内部留保に回し、その結果株主資本が膨れ上がっている企業が数多く見受けられます。本来内部留保は将来の成長のために再投資するという目的で積み立てられるもので、株主はそれを前提に低い配当性向を容認してきたはずですが、買収や設備投資への再投資も十分でない企業は結果として多額の余剰現預金や投資有価証券を抱えています。

そんな企業のBSは上の左図のようになっています。

BSの右側には膨れ上がった株主資本、もちろん有利子負債はありません。
BSの左側には多額の現預金と同等物(国債や社債、投資有価証券など)が蓄積されているという状況です。まずこの異常さを是正していただきたいと思います。

BS右側の株主資本は8%以上のリターンを期待する、高コストのリスクマネーです。

一方BS左側の現預金や同等物はせいぜい1%程度のリターンしか生まないローリスク投資です。これは投資の原則から大きく外れた投資行動です。

高利貸しから高い金利の金を借りて、低い金利の銀行預金をするというような理に合わない投資行動なのです。
一刻も早く、リターンを生まない現預金や同等物を使って自社株買い入れを行い、高コストの株主資本を圧縮することをお勧めします。(上の右図のようによりスリムで効率的な資産・資本構造が望まれます)