3-9 投下資本効率改善によるROE向上のシミュレーション(2)

現在ROE5%の会社が今後5~6年かけてROEの向上を目指すためのシミュレーションを行いました。その共通する前提条件は以下です

 ・ 現在のROEは5%で目標とするROEは8%
 ・ 有利子負債の金利1%(一定)
 ・ 実効税率35%
 ・ 資本:負債=8:2は今後も維持
 ・ 株主資本コスト7%(一定: 現実的には負債比率上昇とともに資本コストも上昇します)
 ・ WACCの計算に用いる時価総額は、ROE8%以下ではPBR=1で計算し、8%を超える場合にはROEに比例して上昇し、ROE20%でPBR=4となると仮定した(第一章1-5参照

まずシミュレーション1では利益は毎年5%ずつ成長するが投下資本は低減できずその総額も比率も現状のまま一定というケースです。

上のチャートでわかるように、6年後でもROICは加重平均資本コストWACC)超えることができず、ROEも資本コストの7%を超えることができません。

シミュレーション2では利益は今後も一定のままですが、投下資本は毎年5%ずつ低減するというケースです。

これもチャートでわかるように、ROICは5年半で加重平均資本コストWACC)超えて、ROEは6年後に資本コストの7%を超えることができますが、目標とする8%には届きません。
このように分子(利益)だけ、あるいは分母(投下資本)だけの改善ではなかなか目標達成は厳しいものがあります。

文:クロス・ボーダー・ブリッジ株式会社 代表取締役 藤原裕

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